日本郵政グループの信頼を揺るがしている「かんぽ生命保険」の不適切販売問題は、現場で働く社員の生活にも深刻な影を落としています。2019年08月06日、日本郵政グループ労働組合(JP労組)は、一連の問題を受けて実施されている営業自粛に伴い、減少した営業手当を会社側が補填するよう求める方針を明らかにしました。
この動きは、不適切な契約の勧誘が発覚したことで、保険商品の積極的な営業を控える状況が続いているためです。営業社員にとって、基本給に上乗せされる「営業手当(歩合給)」は収入の大きな柱となっています。しかし、現在は自らの意思とは関係なく営業活動が制限されており、このままでは家計を維持できないという切実な声が上がっているのでしょう。
ここで言う「営業手当」とは、いわゆるインセンティブ報酬のことで、成約件数や実績に応じて支払われる給与を指します。今回の要求対象となるのは、日本郵便でかんぽ商品を取り扱う営業担当者ら約1万5000人にのぼる見込みです。会社側の不祥事によって働く機会が奪われた形となるため、労組としては「社員に責任はない」という立場を明確にしています。
SNS上ではこのニュースに対し、「自業自得という声もあるが、真面目に働いていた社員が困るのはおかしい」「構造的な問題なのに末端の給料が減るのは酷だ」といった多様な意見が飛び交っています。一方で、「不適切販売の反省が先ではないか」という厳しい指摘も見受けられ、世間の視線は依然として厳しい状況にあります。
編集部としては、組織のガバナンス欠如によって現場の労働者が不利益を被る事態は、速やかに解決されるべきだと考えます。不正を助長したノルマ設定の見直しは不可欠ですが、生活の基盤である賃金を保障することは企業の責務です。社員が安心して誠実な営業に専念できる環境を整えることこそが、信頼回復への第一歩ではないでしょうか。
JP労組は、2019年08月21日から2019年08月22日にかけて熊本市で開催される全国大会において、この補填要求案を正式に承認する予定です。大会での決定を経て、同月内には会社側へ正式な要請書を提出する運びとなっています。かつてない規模の混乱の中、経営陣がどのような回答を示すのかに注目が集まります。
コメント