【タイ政局激震】プラユット連立政権に早くも「ほころび」か。小政党離脱で揺らぐ過半数の行方と今後の課題

2019年7月に産声を上げたばかりのタイの新政権が、早くも荒波に揉まれています。プラユット首相が率いる親軍の連立政権において、結束を維持するための糸が解け始める事態が発生しました。ここで言う「親軍」とは、軍部の影響力を強く保持しようとする勢力のことを指します。かつての軍事クーデターを経て民政へと移行したものの、依然として軍の影が色濃く残る政治体制となっているのが、現在のタイにおける大きな特徴と言えるでしょう。

事態が動いたのは2019年8月13日のことです。連立に参加していた19もの政党のうち、一つの小政党が正式に政権から離脱することを発表しました。政権発足からわずか1ヶ月余りという異例の速さで起きたこの離脱劇は、タイ国内の政治関係者に大きな衝撃を与えています。SNS上でも「あまりに早すぎるスピード離婚だ」「パッチワークのような連立の限界ではないか」といった、将来を不安視する投稿が次々と寄せられている状況です。

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過半数ギリギリの綱渡り!予算案審議を控えたプラユット首相の焦り

今回の離脱によって、タイ議会の下院における与党勢力のパワーバランスに変化が生じました。下院とは、国民の投票で選ばれた議員によって構成され、国の予算や法律を決定する重要な機関です。定数500議席のうち、与党勢力は今回の離脱を経て254議席にまで減少してしまいました。過半数である251議席を辛うじて上回ってはいるものの、まさに「薄氷の勝利」と呼ぶにふさわしい、非常に不安定な政権運営を強いられることになります。

プラユット首相がこれほどまでに神経を尖らせている背景には、近く控えている予算案の審議があります。もし審議の場で反対票が上回れば、政権の存続そのものが危ぶまれる事態に発展しかねません。こうした中で、政策の方向性や閣僚人事に対して不満を抱く他の政党が、今回の離脱に追随する可能性も指摘されています。2019年8月14日現在、首相はこれ以上の造反を食い止めるべく、各党の引き留め工作に奔走している真っ最中です。

私個人の見解としては、19もの政党が寄り集まった巨大な連立構造そのものが、構造的な脆さを抱えていたと感じざるを得ません。それぞれの政党が独自の思惑や利害を持っているため、一つの歯車が狂うだけで全体が機能不全に陥るリスクを常に孕んでいます。国民の生活を左右する予算案を巡って、政党間の「ポスト争い」や「利権交渉」が優先されるようなことがあれば、新政権に対する国民の信頼は一気に失墜してしまうのではないでしょうか。

民主主義への回帰を掲げながらも、軍の影響力が色濃く残るタイの政治は、今まさに真の試練を迎えています。プラユット首相がこのバラバラな組織をまとめ上げ、強力なリーダーシップを発揮できるのかが今後の焦点となるでしょう。周辺諸国もこの動乱の行方を注視しており、タイが政治的な空白期間に陥らないことを願うばかりです。これから始まる予算審議の行方と、さらなる離脱者が現れないか、その動向から一時も目が離せそうにありません。

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