三菱重工が挑む「長崎造船所」の大変革!洋上風力と豪華客船で造船の街を守り抜く新戦略

2019年08月16日、日本のモノづくりの象徴ともいえる長崎の地に、変革の嵐が吹き荒れています。三菱重工業は、主力拠点である長崎造船所において、これまでの主軸だった船造りから一歩踏み出し、次世代エネルギーや観光需要を取り込む新たな事業展開を加速させているのです。

かつて造船所の主役だったのは、マイナス162度という極低温で天然ガスを運ぶ「LNG(液化天然ガス)運搬船」でした。しかし、現在は価格競争力を武器にする韓国メーカーが市場をほぼ独占しており、日本勢は受注ゼロという極めて厳しい冬の時代に直面しているのが実情でしょう。

こうした逆風を跳ね返すべく、同社が白羽の矢を立てたのが「洋上風力発電」です。これは海の上に巨大な風車を設置して電気を作る仕組みであり、同社はデンマークのヴェスタス社と共同で事業を推進しています。造船所が持つ広大な敷地と大型部品を扱う技術は、まさに風車製造に最適といえます。

今回、長崎造船所で製造が始まったのは、巨大な風車を海上で支える「基礎構造」と呼ばれる土台部分です。海中という過酷な環境に耐える強固な構造物を作るノウハウは、長年培ってきた造船技術そのものであり、同社は今後も再生可能エネルギーの需要が世界的に高まると確信しています。

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インバウンドの波を掴む!豪華客船の修繕ビジネスという勝機

もう一つの柱として期待されているのが、大型クルーズ船の修繕事業です。近年、日本を訪れる外国人旅行客、いわゆるインバウンドの増加により、中国などアジアを周遊する豪華客船が急増しています。これまでこうした船の修理は、主にシンガポールのドックで行われてきました。

しかし、クルーズ船の主要な航路に近い長崎で修理ができれば、船を移動させるための時間や燃料費を大幅にカットできるという大きな利点があります。政府も2020年にはクルーズ客を500万人まで増やす計画を掲げており、富裕層を中心としたこの市場には計り知れないポテンシャルが秘められています。

特筆すべきは、同社の造船所に隣接してクルーズ船のターミナルがある点でしょう。乗客が下船して九州観光を楽しんでいる1週間から2週間のわずかな合間に、船体のメンテナンスを完了させることが可能です。このスピード感こそが、観光都市と造船所が共生する長崎ならではの武器になります。

現在、世界の造船業界は再編の荒波に揉まれています。2018年の建造量は世界的に13%も減少し、韓国勢は大宇造船海洋と現代重工業の経営統合によって巨大な壁となって立ちはだかっています。国内でもIHIや三井E&S造船が拠点の売却や縮小を決めるなど、生存競争は激化する一方です。

こうした状況下で、三菱重工が伝統ある長崎造船所の雇用を守り抜こうとする姿勢には、編集部としても強い感銘を受けます。単なる「船造り」に固執せず、時代のニーズに合わせて施設を柔軟に使い分ける発想の転換こそが、地方経済を支える大きな鍵となるに違いありません。

SNS上では「造船の火を消さないでほしい」という切実な願いとともに、「巨大な風車が作られる光景を見てみたい」といった未来への期待の声も多く寄せられています。2019年08月16日というこの日は、長崎が「世界の造船所」から「世界のエネルギー・観光拠点」へと進化する記念碑的な一日となるはずです。

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