ユニクロの新業態「ユニクロ ムーブ」が2019年08月18日に幕!新宿高島屋からの撤退が示す「スポーツと日常」の融合と次なる戦略

日本を代表するアパレルブランド、ユニクロが展開していたユニークなコンセプトショップ「ユニクロ ムーブ」が、2019年08月18日をもってその歴史に幕を閉じることになりました。東京・渋谷のタカシマヤタイムズスクエア内に位置する新宿高島屋店は、この新業態として国内唯一の拠点だっただけに、ファッション業界や流行に敏感なユーザーの間で驚きの声が広がっています。

この店舗が産声を上げたのは2017年03月16日のことでした。当時、高島屋新宿店が「健康」をキーワードに掲げた新しい売り場を新設したことに合わせ、ユニクロも「動き」をテーマにした特化型の店舗を出店したのです。約250平方メートルの店内には、躍動感あふれるスポーツ向けのマネキンが設置され、従来のユニクロとは一線を画すスタイリッシュな空間が演出されていました。

スポンサーリンク

特化型店舗が直面した「日常とスポーツ」の境界線喪失という課題

「ユニクロ ムーブ」が主力として扱っていたのは、いわゆる「機能性衣料」と呼ばれる商品群です。これは、吸汗速乾性や伸縮性といった、運動時に求められる高度なスペックを持ちながら、街歩きなどの日常生活でも違和感なく着用できる服を指します。最近では「アスレジャー」という言葉も一般的になりましたが、まさにその最先端を行く試みだったと言えるでしょう。

オープン当初こそ、その斬新な雰囲気から多くの来店客で賑わいを見せていました。しかし、時が経つにつれて「継続的なファン」を繋ぎ止めることに苦戦し始めたようです。その大きな要因として、品揃えが他の一般的なユニクロ店舗と大きく変わらなかった点が挙げられます。ここでしか手に入らない限定アイテムが少なかったため、わざわざ足を運ぶ動機が薄れてしまったのかもしれません。

SNS上でもこの閉店ニュースに対し、「コンセプトは面白いけれど、結局普通のユニクロで十分だった」「スポーツウェアを格好良く見せるディスプレイは好きだったのに残念」といった声が散見されます。消費者の目は非常にシビアで、単なる「見せ方の工夫」だけでは、利便性や圧倒的な商品数を誇る大型店の魅力には抗いきれなかったというのが現実のようです。

実は、この店舗が入っている新宿高島屋の12階には、ユニクロの広大な大型常設店が存在しています。同じ建物の中に、品揃えが豊富な巨大店舗がある状況では、特定のコンセプトを掲げた小規模な店舗が独自の存在感を発揮するのは、至難の業だったと推測できるはずです。立地条件とコンセプトの棲み分けが、思うように機能しなかった側面は否定できません。

ユニクロが掲げる「ライフウェア」の本質とこれからの展望

今回の閉店について、ユニクロ側は「スポーツウェアのカジュアル化が進み、日常着との垣根が完全になくなった」と分析しています。今後は特定の店舗に機能を限定するのではなく、すべてのユニクロ店舗であらゆる生活シーンに対応できる商品を展開していく方針です。これこそが、同社が究極の目標として掲げる「ライフウェア(LifeWear)」という思想の体現なのでしょう。

ライフウェアとは、あらゆる人の生活をより豊かに、快適にするための究極の普段着を意味します。私個人の意見としては、今回の「ユニクロ ムーブ」の撤退は、決して失敗ではないと考えています。むしろ、ユニクロが提供するスポーツウェアの品質が十分に一般化し、特別な店舗を用意する必要がないほどにまで、私たちの日常に浸透した証左ではないでしょうか。

当初、ユニクロはこの新業態を多店舗展開する計画も持っていたようですが、2019年08月現在ではこの新宿高島屋店が唯一の店舗となっていました。契約期間を繰り上げての閉店という形にはなりましたが、ここで得られた知見は間違いなく今後の商品開発や店舗運営に活かされるはずです。時代の変化に柔軟に対応するユニクロの次なる一手から、目が離せそうにありません。

コメント

タイトルとURLをコピーしました