スポーツ用品の世界的なリーディングカンパニーであるアシックスは、2019年6月12日に、同年7月1日付で実施する重要な組織変更と人事異動を発表いたしました。これは、急速に変化するグローバル市場に対応し、企業競争力を一層高めていくための戦略的な再編だと見られます。特に、IT部門と地域戦略部門における大規模な機構改革は、同社が今後、デジタルトランスフォーメーション(DX)と地域密着型経営を強力に推進していく意図を示していると言えるでしょう。
まず注目すべきは、IT統括部における変化です。従来の「ソリューションデリバリー部」を廃止し、新たに**「グローバルインフラストラクチャーセキュリティ部」が新設されました。この動きは、デジタル技術が経営の根幹となる中で、情報システムの土台となるインフラの整備と、サイバーセキュリティの強化を最優先課題と位置づけたことを意味しています。富永満之執行役員IT統括部長が、この新設部署のトップに就任される人事は、アシックスがグローバルレベルでの情報資産の保護と、安定したIT基盤の構築に、どれだけ重きを置いているかの表れでしょう。
また、CSR(企業の社会的責任)とサステナビリティ**(持続可能性)を担う統括部では、吉川美奈子氏が「CSR・サステナビリティ」を、吉本譲二氏が「安全品質保証」を担当する体制となりました。企業活動において環境や人権への配慮、そして製品の品質と安全性がますます重要視される現代において、こうした分野の責任体制を明確化することは、ブランド価値の向上に不可欠なステップだと考えられます。
地域戦略においても大きな再編が行われています。これまでの「北米地域統括」と「ラテンアメリカ地域統括」が統合され、「北米地域・ラテンアメリカ地域部」として再スタートを切ります。羽鳥直道氏がこの新部署を担当することで、広大な米州地域を一元的に統括し、より効率的かつ機動的な市場戦略を展開していくことが期待されます。また、「日本アジア大洋州地域統括」や「欧州中東アフリカ地域・ホグロフス統括」といった名称も、それぞれ「日本アジア大洋州地域部」「欧州中東アフリカ地域・ホグロフス部」へと改称され、よりシンプルな組織構造へと移行しました。
この一連の組織変更と人事異動は、アシックスが「スポーツ」という核を堅持しながらも、急速にグローバル化とデジタル化を進める時代の要請に応えようとする強い意志の表れだと言えます。特にITセキュリティの強化は、全世界に広がる顧客情報や機密データを守る上で、極めて重要な投資でしょう。また、フットウエア生産統括部に「資材管理部」が新設され、中田善隆氏が責任者となる人事は、サプライチェーンの最適化と、高品質な製品を安定供給するための体制強化を狙ったものと考えられます。
さらに、経理財務統括部では、執行役員の林晃司経理財務統括部長が新たに「財務」を担当し、後任として栗林聡氏が「業績管理」を担当する人事が発表されました。これは、企業のファイナンス戦略と経営状況の分析・評価という二つの重要な機能を明確に分離し、より専門的かつ迅速な意思決定を可能にするための措置でしょう。また、2019年11月1日付では、スポーツスタイルフットウエア統括部のカテゴリー戦略に平川直氏が就任する予定であることも、ファッション性の高い分野への戦略的な注力を予感させます。
SNSでは、このアシックスの組織改革に対し、「DXを加速させるためのセキュリティ強化は正しい」「グローバル展開への本気度を感じる」といった肯定的な意見が多く見受けられました。特にIT部門への注力は、競合他社に先駆けてテクノロジーを活用し、新たな顧客体験を創出しようとする同社の姿勢が高く評価されているようです。本編集部としても、今回の組織再編がアシックスのグローバル競争力をさらに押し上げ、世界のアスリートや消費者に革新的な価値を提供し続けるための重要な一歩となることを大いに期待しています。
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