2019年08月19日、日本の観光シーンを大きく変える画期的な業務提携が発表されました。店舗向けサービスの大手USEN-NEXT HOLDINGS傘下であるUSEN Mediaと、シェアリングエコノミーの旗手として注目を集めるecbo(エクボ)が手を組んだのです。この協力体制により、急増する訪日外国人観光客が直面している深刻な問題の解決が期待されています。
現在、日本の観光地では大きなスーツケースを抱えた旅行者が預け先を見つけられない「コインロッカー難民」という言葉が生まれるほど、荷物置き場が不足しています。そこで、USEN Mediaが運営するインバウンド向け飲食店情報サイト「SAVOR JAPAN」上で、荷物預かりサービス「エクボクローク」の情報を発信していくことが決定しました。これは、単なる情報提供に留まらない深い相乗効果を生むでしょう。
「エクボクローク」とは、レストランや美容室、さらには駅構内のちょっとした「デッドスペース(有効活用されていない空き空間)」を、荷物預かり所として活用するシェアリングサービスのことです。スマートフォンから事前に予約できるため、重い荷物を引きずりながら空きロッカーを探し回る必要がありません。SNS上でも「旅の機動力が上がる神サービス」として、感度の高い旅行者の間で話題になっています。
食事と預かりを繋ぐ新しいインバウンド戦略の全貌
特筆すべきは、このサービスが店舗側にとっても極めて大きなメリットをもたらす点でしょう。実際にエクボクロークを利用する人の約3割が、荷物を預けるついでにその店で食事を楽しんでいるというデータが出ています。つまり、荷物預かりが「集客の入り口」として機能しているわけです。店舗にとっては、空きスペースを貸し出すだけで副収入が得られるだけでなく、新規顧客の獲得にも繋がる一石二鳥の仕組みといえます。
「SAVOR JAPAN」は4カ国語に対応しており、利用者の大半が外国人という特性を持っています。一方で、エクボクロークの利用者も約7割が外国人旅行客であることから、この両者の親和性は極めて高いと断言できます。インバウンド需要が加熱する中で、言語の壁を超えて「安心」と「利便性」を同時に提供できるこのプラットフォームは、今後の日本の観光インフラの核となるはずです。
筆者の視点としては、この提携は日本の「おもてなし」をデジタルと物理空間の融合でアップデートする素晴らしい試みだと感じています。既存の設備を増やすのではなく、今ある街の資源を最適化する発想は、持続可能な観光立国を目指す上で欠かせません。飲食店が単に「食べる場所」から、旅の「拠点」へと進化する姿に、新しいビジネスの可能性を感じずにはいられません。
両社は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、預かり場所の登録数を現在の1000カ所から、来夏までに1万カ所へと一気に拡大させる方針です。サイトに掲載されている飲食店にも、空きスペースの提供を広く呼びかけていく計画を立てています。この取り組みが加速すれば、2020年07月には、日本の街中から大きな荷物で困り果てた旅行者の姿が消えているかもしれませんね。
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