長崎県雲仙市の豊かな大地が育む冬レタスは、全国でも指折りの出荷量を誇る地域の宝物です。しかし、この素晴らしい特産品を支える現場では、今まさに深刻な人手不足という荒波が押し寄せています。こうした状況を打破すべく、地元の青果卸を担う「潤青果」が、農家の収穫作業を無償でサポートするという画期的な取り組みを強化しています。
2019年08月22日、潤青果は地場の小規模農家を対象とした支援サービスの拡大を発表しました。冬レタスの生産において、雲仙市は日本トップクラスの規模を維持していますが、実際には2人から4人程度で切り盛りする小規模な経営体が中心です。働く方々の高齢化が進む中で、重労働である収穫や運搬の作業をどう維持するかが大きな課題となっていました。
そこで潤青果は、自社の従業員を直接畑へ派遣し、農作業を代行する独自のビジネスモデルを推進しています。現在、約110カ所となっている取引先を、2020年には最大160カ所まで増やす計画を立てているようです。SNS上でも「農家さんの負担を減らしつつ、質の高い野菜を確保する素晴らしい共生関係だ」と、その戦略的な優しさに称賛の声が上がっています。
戦略的な「無償支援」がもたらすWin-Winの経済効果
注目すべき点は、この人手支援に対して費用を一切徴収していないことでしょう。一見すると企業の持ち出しに思えますが、これは安定した仕入れルートを確保するための高度な戦略でもあります。松尾潤社長は、地元の基幹産業である農業を活性化させることが、巡り巡って自社の成長に繋がると確信しているのです。まさに地域密着型の経営判断と言えます。
具体的には、今後5年間で現場を支えるスタッフを10人増員し、マンパワーを大幅に強化する方針です。2019年08月期の売上高は6億円を見込んでいますが、この支援体制が実を結べば、2020年08月期には最大8億円、さらに5年以内には10億円の大台を目指すとしています。こうした成長への意欲は、地域経済にとって非常に力強い希望の光となるでしょう。
事業の急拡大に備えたインフラ整備も着々と進んでいます。同社は本社に隣接する1.5ヘクタールの土地を確保し、約2億3000万円という巨額の投資を行いました。ここには最新の「真空冷却装置」が導入されています。これは野菜の芯から熱を奪い、鮮度を劇的に長持ちさせる装置のことで、長距離輸送が不可欠な大手流通企業との取引には欠かせない武器となります。
2012年の創業以来、レタスとジャガイモを軸に急成長を遂げてきた潤青果の姿勢には、編集部としても深く感銘を受けます。単なる「モノの売り買い」を超え、生産現場の汗まで分かち合うスタイルは、これからの地方創生のモデルケースになるのではないでしょうか。大手企業からの引き合いも増えている今、雲仙のレタスが全国の食卓へより新鮮に届く日が楽しみです。
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