2019年08月23日、生命保険と損害保険の両業界を代表する巨頭が、医療の常識を覆す一歩を踏み出したことが明らかになりました。日本生命保険とSOMPOホールディングスは、唾液からがんの発症リスクを判定する画期的な技術を持つベンチャー企業、サリバテックへの出資を決定したのです。
山形県鶴岡市に拠点を置くサリバテックは、慶応大学から生まれたスタートアップで、唾液中に含まれる数千種類の代謝物を一括で分析する技術を誇ります。2019年08月中に実施される第三者割当増資に対し、両社はそれぞれ約3億円を投じる見込みで、革新的な検査手法の普及を後押しする構えでしょう。
SNS上では「痛みを伴う採血や苦しい内視鏡検査なしで、がんが分かるなら理想的だ」といった期待の声が数多く寄せられています。一方で「早期発見の可能性は広がるが、検査の精度がどこまで担保されるのか詳しく知りたい」といった、実用化に向けた冷静かつ鋭い分析を行うユーザーも見受けられました。
今回注目される「代謝物分析」とは、体内の化学反応によって生成される小さな分子を調べる手法を指します。がん細胞が存在すると血液や唾液の成分に特有の変化が現れるため、それを捉えることで膵(すい)がんや大腸がんといった、自覚症状が出にくい疾患の兆候を早期に察知できるのです。
保険業界が描く「予防と共生」の新たなビジネスモデル
日本生命は2017年から同社と提携を進めてきましたが、今回の出資によってその関係性はより強固なものへと深化します。単なる金銭的な支援に留まらず、保険契約者向けの付加価値サービスとしてこの検査を導入し、病気の早期発見を促すことで給付金の抑制と顧客の健康増進を同時に狙うのでしょう。
私自身の見解を述べますと、この動きは「万が一の備え」という従来の保険の役割を、「病気にならないためのサポート」へと変革させる大きな分岐点だと感じます。高度な検査が身近になることは、個人のQOL(生活の質)を高めるだけでなく、膨れ上がる日本の社会保障費を抑える特効薬になるはずです。
SOMPOもまた、ヘルスケア領域を成長の柱に据えており、今回の出資を通じて新たな保険商品の開発を加速させるに違いありません。最新のテクノロジーが既存の金融インフラと融合することで、誰もが気軽に高度な医療の恩恵を享受できる社会の実現が、2019年という今の時代に現実味を帯びています。
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