米中貿易戦争に雪解けの兆し?10月の閣僚級協議を前に「善意の応酬」で歩み寄り演出!農産品輸入再開の裏側

世界経済を揺るがし続けている米中の貿易摩擦において、新たな局面を迎える動きが2019年09月11日から12日にかけて鮮明となりました。ドナルド・トランプ米大統領は、10月01日に予定していた2500億ドル規模の中国製品に対する関税引き上げを、同月の15日まで延期すると発表したのです。この決断は、中国側からの要請に応じた「善意の意思表示」であると説明されています。

この米国の動きに呼応するかのように、中国政府も2019年09月12日に米国産農産品の輸入手続きを再開したことを明らかにしました。SNS上では「ようやく少し落ち着くのか」「一時しのぎに過ぎないのでは」と、期待と不安が入り混じった声が飛び交っています。建国70周年を控える中国と、選挙戦を意識する米国の思惑が一致し、閣僚級協議に向けた友好的な雰囲気が作り出されているようです。

今回、トランプ氏が延期を決めたのは、追加関税率を25%から30%に引き上げる措置です。これは「制裁関税」と呼ばれるもので、不当な貿易慣行を是正させるために輸入品へ高い税率を課す仕組みを指します。もし実施されれば、PCや家電など身近な製品の価格高騰を招く恐れがあっただけに、消費者や市場関係者からはひとまず安堵の溜息が漏れている様子が伺えます。

一方の中国側は、大豆や豚肉といった主要な農産品の買い付け準備を進めています。中国国内では現在、豚肉を中心とした食品価格の上昇が庶民の家計を圧迫しており、安価な米国産品の流入は物価を安定させる「特効薬」としての期待も大きいのでしょう。トランプ氏も自身のTwitterで、中国が大量の農産品を購入することへの喜びを隠さず、自身の支持層である農家へのアピールを強めています。

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「ミニ合意」の可能性と、解決を阻む構造的な高い壁

中国はさらに、知的財産権の保護についても前向きな姿勢を強調し始めました。これは、他国の技術を不当にコピーしたり盗用したりすることを防ぐ法的枠組みの強化を意味します。また、海外投資家による中国国内への投資制限を撤廃するなど、矢継ぎ早に市場開放の姿勢を打ち出しています。2019年05月当時の強硬な姿勢と比較すると、中国側が交渉のテーブルを守ろうとする必死さが伝わってきます。

しかし、編集者の視点から冷静に分析すると、これで全てが解決に向かうと楽観視するのは時期尚早と言わざるを得ません。今回の歩み寄りは、互いの国内事情を優先した「利害の一致」によるパフォーマンスの色合いが濃いからです。産業補助金などの中国の経済構造そのものに踏み込む問題は、国家の根幹に関わるため、一朝一夕に譲歩が引き出せるとは考えにくいのが現実でしょう。

ホワイトハウス周辺からも、本格的な解決は大統領選以降に持ち越されるとの悲観的な見方が根強く残っています。当面は関税合戦の激化を避け、農産品の輸入拡大などで折り合う「ミニ合意」で時間を稼ぐのが精一杯ではないでしょうか。世界中のビジネスマンが固唾を呑んで見守る中、2019年10月上旬に開催予定の閣僚級協議が、単なる演出で終わらないことを願うばかりです。

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