【トヨタ米国投資】テキサス州の工場へ約420億円!ピックアップトラック生産効率化と日米貿易交渉の行方

2019年9月18日、トヨタ自動車がアメリカのテキサス州にある工場へ多額の資金を投じることを明らかにしました。2021年末までに3億9100万ドル、日本円にして約420億円を投資する壮大な計画です。

主な目的は、最新の設備を導入してピックアップトラックの生産効率を高めることです。ピックアップトラックとは、運転席の後方に屋根のない荷台を備えた実用的な車のことを指します。アメリカの新車市場全体は少し減速気味ですが、この分野の需要は力強く伸び続けているため、生産能力の底上げが急務となっているのでしょう。

インターネット上のSNSでも、「さすが世界のトヨタ、需要を見極めた攻めの姿勢が素晴らしい」「アメリカ市場のニーズを的確に捉えている」といった感嘆の声が次々と上がっています。2006年に稼働を開始したテキサス工場では現在、「タンドラ」や「タコマ」という車種を毎年およそ25万台も製造しており、さらなる躍進が期待されます。

また、アイシン精機グループのアイシン・エィ・ダブリュも、テキサス州に新しい工場を建てる予定だと発表しました。こちらではAT、すなわちクラッチ操作を自動で行い変速してくれる自動変速機を作る計画となっています。2023年末までに最大およそ4億ドルを投じ、約900人の新たな雇用を生み出す見込みです。

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日米貿易交渉をにらんだ高度なグローバル戦略

同州のアボット知事からも、両社が地域に多大な雇用をもたらすことへの深い感謝の意が表明されました。このような日本企業の積極的な動きの裏には、現在大詰めを迎えている日米の貿易交渉が深く関わっていると考えられます。アメリカ政府が日本の自動車に対して課すかもしれない「追加関税」を避けるための布石と見るのが自然でしょう。

追加関税とは、外国から輸入される商品に対して通常よりも高い税金をかけることで、自国の産業を保護しようとする政策のことです。トランプ大統領は日本との貿易協定に近く署名する見通しですが、トヨタとしては現地での雇用や投資による多大な貢献を具体的な数字でアピールし、交渉を少しでも有利に進めたいという強い意志を感じます。

私は、このトヨタの決断は単なる設備投資にとどまらず、非常に高度で計算し尽くされた素晴らしい戦略だと評価しています。2017年の段階で今後5年間に100億ドルを投資すると表明し、2019年3月にはその額を130億ドルまで引き上げました。マツダとアラバマ州に建設中の新工場などと合わせ、アメリカへの配慮を見事に形にしています。

一方でトヨタは中国市場でもしたたかに動いています。2019年7月には現地の電池メーカーとの提携や、配車サービス大手への出資と合弁会社の設立などを次々と発表しました。アメリカと中国という世界の二大市場で、緻密な計算に基づいた投資や提携戦略を並行して進める同社の圧倒的な手腕には、これからも目を離すことができないと確信しています。

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