釣り具業界のガリバー、グローブライドが、セレクトショップの雄であるビームスと手を組み、ファッション界に新たな風を吹き込みます。2019年09月18日、両社のデザイン開発における連携が発表されました。主力ブランド「DAIWA(ダイワ)」から、2020年春夏シーズンに向けてアメカジの感性を融合させた待望のコレクションが登場します。過酷なフィールドで培われた高い機能性と、都会的なスタイルが融合する瞬間を、私たちは目撃することになるでしょう。
今回のコラボレーションでは、ジャケットやTシャツ、ショートパンツなど計13品目のラインナップが揃います。2020年01月から03月にかけて順次投入されるアイテムは、一着一着がミリタリースタイルをベースにした洗練されたデザインに仕上がっています。これまで「釣り具専門店」でしか出会えなかった高性能なウェアが、今後は若者で賑わうファッションビルやセレクトショップの店頭を彩ることになります。この大胆な販路の拡大は、新たなファン層の獲得に向けた確固たる意志の表れと言えるでしょう。
「機能美」をアメカジに昇華した驚きのディテール
特筆すべきは、ビームス監修による卓越したデザインワークです。例えば「マルチ・ポケット・イージー・シャツ」は、トレンドのビッグシルエットを採用しながら、釣り糸を切る小型ハサミを装着できるボタンや、偏光サングラスを固定するゴム紐をさりげなく配置しています。これらは単なる飾りではなく、実際の釣行でも役立つ実力派の機能です。まさに「ファッションとして完成されつつ、釣り具としての矜持を忘れない」という、開発陣のこだわりが随所に散りばめられています。
夏の不意な雨にも動じない撥水加工や、触れるだけで涼やかな「接触冷感素材」など、最先端の技術も惜しみなく投入されています。特に防水透湿素材の王道である「ゴアテックス」を採用したベストは、ポケットが取り外せるという遊び心溢れる仕様です。ゴアテックスとは、雨を通さず中の蒸れを外へ逃がす、アウトドアには欠かせない魔法のような素材のこと。SNS上でも「ダイワの技術力とビームスのセンスは最強すぎる」「釣りに行かなくても街着として欲しい」といった期待の声が早くも渦巻いています。
グローブライドは、先行するブランド「D-VEC(ディーベック)」の成功によって、スポーツウェアを日常に取り入れる「アスレジャー」の可能性を確信しました。2018年度の販売額が前年比で2.5倍という驚異的な伸びを見せる中、あえて本丸の「DAIWA」でも若年層や女性層へアプローチするのは、賢明な戦略だと感じます。世界的なアウトドアブランドや、勢いのあるワークマンなど競合は多いですが、フィッシングという独自の背景を持つ服には、他のブランドには真似できない「語れる物語」があります。
趣味が多様化し、釣り人口が最盛期の半分まで減少した今、この挑戦は業界全体にとっての希望の光となるでしょう。「山や海というフィールドで培われた本物の機能は、決して廃れることはない」という小林謙一執行役員の言葉通り、本質を突いた服は時代を越えて愛されます。釣り着を街着として再定義するこの試みは、私たちのライフスタイルをより自由でアクティブなものへと変えてくれるに違いありません。皆さんも、この「釣れるアメカジ」で新しい春を始めてみてはいかがでしょうか。
コメント