近年、予測不能なゲリラ豪雨や大型台風の襲来が相次ぎ、建物への浸水被害は切実な課題となっています。こうした中、石川県金沢市に拠点を置くサワヤが、低コストかつ短時間で導入可能な画期的な「止水板」を開発し、防災市場で大きな注目を集めています。止水板とは、建物の入り口などに設置して水の侵入を物理的に遮断する防護壁のことですが、これまでは高価な設置費用が導入の壁となっていました。今回の新製品は、その常識を打ち破る「価格2分の1」という驚きの設定で登場しました。
2019年09月18日現在、浸水対策の主流といえば土のうを積み上げる方法が一般的でしょう。しかし、土のうは保管場所を占有するだけでなく、重い袋を運ぶための人手と時間が必要という弱点があります。シャッターメーカーなどが提供する既存の止水板は軽量で便利ですが、導入には40万円以上の費用がかかることが珍しくありません。サワヤが商品化した新製品は、工事費込みで15万円程度からという圧倒的なコストパフォーマンスを実現しており、予算の限られた小規模店舗や公共施設にとって待望の選択肢となりそうです。
SNS上では「土のうを積む苦労から解放されるなら安い」「最短1時間で工事が終わるのは助かる」といった、実用性を評価する声が早くも広がっています。この製品が安さを実現できた理由は、素材選びにあります。従来品で多用される高価な炭素繊維ではなく、比較的安価な「硬質ウレタン」を採用したのです。硬質ウレタンとは、断熱材などに使われる非常に軽くて丈夫な樹脂素材のことです。内部にアルミ製の芯材を組み合わせることで、10キログラム程度という女性でも扱いやすい軽さと、確かな強度を見事に両立させています。
設置の仕組みも非常にスマートで、開口部の両端に「コの字型」のレールを取り付け、厚さ3センチほどの板をはめ込むだけの構造です。地面に小さな穴を開けてネジで固定するため、大規模な地面改修工事は一切不要。これにより、最短1時間という驚異的なスピード施工を可能にしました。同社の実験では、50リットルの水にさらしても1時間あたりの漏水はわずか30ミリリットル、つまり雑巾1枚で拭き取れる程度に抑えられています。この高い密閉性は、浸水被害を最小限に食い止める強力な武器になるでしょう。
北陸から全国へ広がる防災の輪とサワヤの挑戦
1974年の創業以来、電気工事やリサイクル事業で実績を積み上げてきたサワヤは、2019年7月期の売上高が27億6千万円に達するなど着実に成長を続けています。今回の止水板は、すでに富山県内のスーパーや公共施設での施工実績を持っており、2020年7月期には年間70件の受注を目指す構えです。北陸3県を中心に、川の近くや低地といった浸水リスクの高い地域へ積極的にアプローチしていく方針であり、防災EXPOなどの展示会を通じた販路拡大にも期待が高まります。
私自身の見解としましては、近年の異常気象を考慮すると、こうした「手軽で確実な防災」こそが今後のスタンダードになると確信しています。これまでは「高嶺の花」だった止水板が、一般の商店や施設でも手の届く価格になった意義は非常に大きいです。災害が起きてから後悔するのではなく、日常の延長線上で備えを固める重要性を、このサワヤの新製品は改めて提示してくれています。地域の安全を守る地場企業の技術力が、日本の防災インフラをより強固なものへと変えていくのではないでしょうか。
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