2019年10月01日の消費税率引き上げに伴い、政府が目玉施策として打ち出した「キャッシュレス・ポイント還元制度」がいよいよ幕を開けます。この制度は、対象店舗でクレジットカードやスマホ決済を利用すると最大5%分が戻ってくる仕組みですが、開始を目前に控えた2019年09月19日現在、制度の隙間を突いた「不正転売」への懸念が急速に高まっていることをご存じでしょうか。
特に問題視されているのが、決済時にその場で値引きが行われる「即時還元」という手法です。通常、ポイントは後日付与されるものですが、Origami PayやLINE Payなどの一部事業者は、利用者がお得感を即座に実感できるよう、購入金額から直接5%分を差し引く実質的な値引き対応を決定しました。この利便性の裏側に、悪意あるユーザーが目を付けるリスクが隠されているのです。
新幹線回数券がターゲットに?驚きの錬金術と制度の盲点
具体的な不正の手口として危惧されているのが、換金性の高い商品の転売です。例えば、100万円分の新幹線回数券をスマホ決済で購入したとしましょう。5%の即時還元が適用されれば、支払額は95万円で済みます。この回数券を金券ショップなどで定価の98%で売却できれば、手元には98万円が残り、一切の労力なしに3万円の利益が手に入ってしまう計算になります。
本来、金券類はポイント還元の対象外とされていますが、事務局の見解によれば、新幹線回数券は対象に含まれ得るとのことで、これが大きな議論を呼んでいます。SNS上でも「これでは実質的な公金を使ったマネーロンダリングではないか」といった厳しい批判や、「正直者が馬鹿を見る制度になりかねない」という不安の声が相次いで投稿されており、注目度は日増しに高まっています。
一方で、JCBや三井住友カードといったクレジットカード各社は、還元の月額上限を1万5000円程度に設定し、付与時期も数ヶ月後とする慎重な姿勢を崩していません。これならば、不正な取引が発覚した際にポイント付与を停止できる「防波堤」として機能します。しかし、電子マネーのSuicaなど、上限を設けていない決済手段も存在しており、足並みの乱れが懸念されます。
私自身の見解を述べさせていただくと、消費活性化を狙った素晴らしい施策である反面、制度設計の甘さが露呈している印象を拭えません。還元の原資は私たちの血税であり、一部の不届き者が「中抜き」をして私腹を肥やすような事態は断じて許されるべきではないでしょう。政府や決済事業者には、性善説に頼りすぎない、より厳格な監視体制の構築が急務であると考えます。
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