静岡県に拠点を構え、アフターパーツメーカーとして世界中に熱狂的なファンを持つエッチ・ケー・エス(HKS)が、自動車業界の常識を覆す挑戦を始めています。2019年09月20日、同社はハイブリッド車(HV)の燃費性能を劇的に向上させる新技術「ターボジェネレーター」の実用化に向けたプロジェクトを発表しました。これは本来、マフラーから捨てられていた排出ガスのエネルギーを再利用して発電を行うという、画期的なシステムなのです。
SNS上では「チューニングパーツの雄であるHKSが、エコ技術でメーカーに供給するとは胸が熱い」「ターボの技術を電気に変える発想が素晴らしい」といった驚きと期待の声が溢れています。これまでスポーツカーのパワーアップに捧げてきた過給機技術が、今度は地球環境を守るための「次世代部品」として生まれ変わろうとしています。同社は2022年の納入開始を見据えており、自動車メーカー各社からも熱い視線が注がれている状況でしょう。
熱効率50%の壁を突破する「排ガス発電」の仕組みとは
現代の自動車が抱える最大の弱点は、投入した燃料エネルギーの約6割が「熱」や「排気」として無駄に捨てられているという事実です。専門用語で「熱効率」と呼ばれるこの指標は、燃料がどれだけ走行エネルギーに変換されたかを示しますが、現状では4割強が限界とされてきました。業界全体が「熱効率50%」という高い壁に挑む中、HKSは残りの半分を占める排気エネルギーの回収に勝機を見出したのです。
今回開発された「ターボジェネレーター」は、エンジンの排気部に設置してタービンを回し、その回転を電力に変換する仕組みを採用しています。ここで生み出された電気はハイブリッド車のバッテリーへ蓄えられ、モーターの駆動や車内電装品に充当されることになります。さらに、エンジンに付随する発電機(オルタネーター)の稼働を抑えられるため、エンジン自体の負荷を大幅に軽減できる点も見逃せないメリットと言えるでしょう。
私の視点では、この技術こそが「エンジン車の延命」ではなく「内燃機関の進化」を象徴するものだと確信しています。HKSが長年培ってきたターボチャージャー(過給器)のノウハウを応用することで、高効率かつコンパクトな設計が可能になりました。2021年には量産体制の準備に入る予定とのことで、既存の過給器と同程度の価格帯までコストを抑えることができれば、大衆向けのHVにも一気に普及する可能性を秘めているはずです。
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