日本の伝統文化が今、海を越えて「生きるアート」として空前のブームを巻き起こしています。香川県高松市は2019年9月27日、特産品である松盆栽の魅力を世界へ向けて発信するため、独創的なPR動画「盆栽 de ボンジュール」をYouTubeで公開しました。国内シェアの約8割を誇る圧倒的な生産地として、高松市が本気で世界市場へ打って出る姿勢が鮮明になっています。
今回のプロジェクトで制作された映像は、盆栽の妖精がヨーロッパを旅する情緒豊かな長編物語と、思わず体が動き出すような音楽とダンスが印象的な短編の2種類です。撮影は高松市内のみならず、盆栽への関心が高まっているフランスやベルギーでも敢行されました。デジタルサイネージ(屋外や店頭に設置された電子看板)での放映も予定されており、視覚的なインパクトで道行く人々の足を止めさせることでしょう。
豪華キャストとクラウドファンディングが支える「市民参加型」の挑戦
この動画制作を支えたのは、ふるさと納税を活用したクラウドファンディングによる寄付金です。行政主導でありながら、多くの人々の想いが形になった点に大きな意義があると感じます。出演者には子役として活躍する大里菜桜さんや俳優の秋山真太郎さんを迎え、高松出身の銀行員という異色の経歴を持つ映画監督、香西志帆さんがメガホンを執りました。地元の才能が結集した、まさに「チーム高松」による作品です。
SNS上では、伝統的な盆栽とモダンなダンスを掛け合わせた斬新な演出に対し、「盆栽のイメージがガラリと変わった」「高松に行って本物を見てみたい」といった好意的な反響が相次いでいます。若年層や海外ユーザーにとって、少し敷居が高いと感じられがちな盆栽を、ポップで親しみやすいキャラクターを通じて表現した手法は、現代のプロモーションとして非常に理に適っていると言えるでしょう。
2020年春には高松市内に新たな盆栽の発信拠点が誕生する予定であり、今回の動画はその施設内でも活用される見込みです。単なる農産物の紹介に留まらず、文化としての奥行きを伝えるこの試みは、地域のブランド力を高める鍵となるはずです。私自身、この動画がきっかけとなり、若い世代が剪定の技術や樹形の美しさに触れ、日本の美意識を再発見するきっかけになることを切に願っています。
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