2019年10月07日現在、日本政府が熱烈に後押しする「アフリカ投資」の現場で、理想と現実の厳しい解離が浮き彫りとなっています。日本企業と現地の組織が交わした事業化に向けた「覚書(MOU)」のうち、実際にプロジェクトが動き出したのは全体のわずか2割に満たないことが判明しました。覚書とは、正式な契約の前に双方の意向を確認する書類ですが、これほどまでに実行が困難な現状には驚きを隠せません。
SNS上では「やはりアフリカビジネスはハードルが高いのか」「政府の掛け声だけが空回りしている印象」といった、慎重な見方を示す声が多く上がっています。2019年08月28日から2019年08月30日にかけて、横浜では第7回アフリカ開発会議(TICAD7)が華やかに開催されました。しかし、前回の会議で期待を背負って結ばれた約50件の民間案件のうち、2019年09月中旬の時点で結実したのは、わずか9件にとどまっているのです。
資金難とリスクの壁が阻む日本企業の進出
投資が滞る最大の要因は、現地側の圧倒的な資金不足にあります。ある企業関係者は、現地のパートナーに余力がなく、日本政府による「政府開発援助(ODA)」などの公的な支えがなければ事業化は極めて困難だと吐露しています。ODAとは、発展途上国の経済発展を支援するために政府が提供する資金や技術協力のことですが、これに頼りきりでは、民間主導の自立したビジネスモデルを構築するのは容易ではないでしょう。
2050年には人口が約25億人にまで倍増すると予測されるアフリカは、世界が注目する巨大市場です。欧米や中国が猛烈な勢いで攻勢をかける中、2017年時点の日本の直接投資残高は、中国の5分の1以下という寂しい数字に甘んじています。私個人としては、日本企業の慎重すぎる姿勢が、将来の大きな果実を逃しているのではないかと危惧しています。治安や法制度の未整備を恐れる気持ちは理解できますが、守りだけでは勝てません。
専門家は、現地特有の需要を丁寧に見極めれば、日本の中堅・中小企業にも勝機は十分にあると分析しています。しかし、すでに現地で基盤を持つ第三国の企業と協力することに消極的な姿勢が、日本勢の足を引っ張っている側面も否めません。リスクを正しく恐れつつも、異文化や他国企業と柔軟に手を取り合う「攻めのマインド」こそが、今のアフリカビジネスには求められているのではないでしょうか。
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