西アフリカの玄関口、セネガル共和国のダカール港が、日本の画期的な技術によって大きく生まれ変わります。建設機械関連企業の技研製作所の子会社である技研施工(高知市)は、このほどダカール港の新たな岸壁(がんぺき)工事を受注いたしました。これは、港に船を横付けし、荷物の積み下ろしを行うための設備を新設する大がかりなプロジェクトです。特に注目すべきは、今回の工事が日本の政府開発援助(ODA)案件として採択された点でしょう。ODAとは、先進国が開発途上国の経済や社会の発展などを支援するために行う公的な資金や技術の提供のことで、日本の技術力が世界貢献に活かされる好例と言えます。
今回の工事では、老朽化が進み、水中で一部が陥没してしまっていた既存のコンクリート岸壁に代わり、耐久性に優れた鋼管くいを大量に打ち込んで岸壁を完全に覆います。鋼管くいは文字通り、鉄製のパイプ状の杭(くい)のことで、全域で約350メートルにおよぶ岸壁に対して、合計600本のくいが海中に打設される計画です。具体的には、口径1メートルの太い鋼管が299本、口径32センチの細い鋼管が299本の2種類を巧妙に組み合わせ、隙間なく海中に打ち込むことで、堅牢な新しい岸壁が完成する見込みです。着工は2019年7月末を予定しており、くい打ち作業自体は2020年6月末までに完了する予定となっています。
このセネガルでの一大プロジェクトの鍵を握るのは、技研製作所が開発した小型機械を使用する技研施工の独自工法です。この工法は、鋼管を回転させながら海底の土砂を切削し、静かに押し込んでいく「切削圧入」という技術を採用しています。専門的な技術ですが、簡単に言えば、ドリルで掘りながら杭をねじ込んでいくようなイメージです。従来の工法では、巨大な鋼管を吊り上げて打ち込むために、大型のクレーン作業船が必要でしたが、この独自工法ではその必要がありません。そのため、工事の期間中であっても、船舶の接岸や荷役作業を継続することが可能になる点が最大のメリットです。物流の要である港の機能を停止させずに工事を進められるのは、発注者側にとって非常に魅力的と言えるでしょう。
また、この切削圧入工法は、くいを打ち込む際の振動や騒音を大きく抑えることができる、環境に配慮した工法であることも、今回の受注の決め手となりました。近年、インフラ整備における環境負荷の低減は国際的な重要課題となっており、日本の企業の高い環境技術が評価されたことは、誇るべきことであると私は考えます。発注元であるダカール港湾公社は、このくい打ち工事を契機に、港の水深を従来の10メートルから12メートルへと深くする計画です。水深が深くなることで、行き来する貨物船の大きさは従来の1万5,000トン級から、一気に3万5,000トン級へと大型化することが可能になります。これにより、ダカール港の輸送能力は飛躍的に向上し、西アフリカ地域の経済発展に大きく貢献するものと期待されます。
このニュースが報じられると、SNS上では「日本の技術がODAで海外に活かされるのは素晴らしい」「環境に優しい工法で港湾機能もアップするなんて理想的」といった、日本の技術力と国際貢献に対するポジティブな反響が多く見受けられました。特に、工事中も港を止めないという点について「実用性が高すぎる」と驚きの声があがっています。技研施工の独自工法は、その革新性と環境適合性によって、セネガルという地の利を活かした新たな物流の未来を切り拓く、まさに次世代の港湾インフラ構築への大きな一歩となることでしょう。世界を舞台に活躍する日本の技術に、さらなる期待が高まるところです。
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