2019年09月20日に発表された東京都内の基準地価は、住宅地が前年比で2.5%上昇するという勢いのある結果を示しました。基準地価とは、都道府県が毎年7月1日時点の1平方メートルあたりの土地価格を調査・公表する指標のことで、私たちが家を建てたり買ったりする際の適正価格を知るための大切な物差しとなります。今回の調査では、特に豊島区や荒川区といった都心周辺エリアの躍進が目立っており、不動産市場の地殻変動が起きていると言えるでしょう。
驚くべきことに、千代田区や港区といった、いわゆる「都心5区」の地点が上昇率のトップ10に一つも入らなかったのです。SNS上でも「ついに都心の土地は高嶺の花になりすぎたのか」といった驚きの声が広がっています。代わって主役の座を射止めたのは、豊島区高田1丁目の10.9%という驚異的な数字でした。次いで足立区千住中居町や荒川区荒川2丁目が続いており、上位10地点のうち9つを23区の北部が独占するという、北側エリアの勢いが止まりません。
利便性と割安感が鍵!選ばれる「城北部」の魅力
上昇率トップ10のうち4地点を占めた豊島区では、山手線の内側エリアを中心に地価が力強く押し上げられています。交通の便が非常に良いにもかかわらず、都心部と比較して「まだ手が届く」という割安感が、多くの購入層を惹きつけているのでしょう。専門家である東京カンテイの井出武氏は、都心の新築マンションが一般の人にとってあまりに高額になりすぎた結果、その受け皿として「城北」や「城東」と呼ばれるエリアへ需要が流れていると分析しています。
この価格高騰の余波は、新築市場だけでなく中古市場にも波及しています。最近では、あえて築20年ほどの中古マンションを選択する層が増えており、リノベーションを前提とした賢い住まい探しがトレンドとなっているようです。個人的な見解としても、資産価値の維持を最優先に考え、無理をして都心の極小物件を買うよりも、少しエリアを広げて生活の質を担保しようとする現代人の合理的な判断が、今回の地価データに如実に反映されていると感じます。
一方で多摩地域に目を向けると、2019年の上昇率は0.8%となり、2018年からの安定した推移を維持しています。特に稲城市では3.4%の高い伸びを記録しており、武蔵野市や小金井市も好調な様子です。これらは自治体による「区画整理事業」が着実に進んでいる地域であり、道路や公園が整備されることで街の付加価値が高まった結果と言えます。都心だけでなく、住環境の良さを求めるファミリー層の支持が多摩の地価を支えているのでしょう。
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