自動車産業の心臓部ともいえるタイヤの主原料、天然ゴムの市場が活気づいています。2019年07月23日の東京商品取引所において、天然ゴムの先物(RSS)の清算値は1キロあたり187円を記録しました。これは同年07月12日に年初来安値を更新した際と比較して、わずか10日余りで11.7円、率にして約7%もの大幅な上昇を見せたことになります。
「先物(さきもの)」とは、将来の特定の時期に、あらかじめ決めた価格で売買することを約束する取引の仕組みです。今月中旬から続いていた下落基調に歯止めがかかり、市場では「今の価格は安すぎる」という判断、いわゆる「割安感」が広がったことが今回の買い注文の急増を招きました。SNS上でも「ゴム相場がようやく底を打ったのではないか」と、投資家たちの間で期待の声が上がっています。
タイ現物価格の反発と供給不足への懸念
今回の価格変動の背景には、世界最大の天然ゴム生産国であるタイの動向が深く関わっています。東南アジアの産地が雨期に入り、当初は供給への不安が和らいでいたことから、2019年07月16日のタイ現物相場は1キロあたり51.9バーツ(約182円)と、2月下旬以来の低水準を記録しました。しかし、この価格は生産にかかるコストの目安とされる50バーツに肉薄しており、これ以上の下落は現実的ではないとの見方が強まりました。
さらに、気象条件も市場を刺激する要因となっています。タイ北部など一部の地域では、本来の雨期にもかかわらず降雨量が不足している状況です。このような天候不順は収穫量に直結するため、供給が滞ることへの警戒感が高まっています。専門家であるサンワード貿易の松永英嗣氏は、こうした背景から「しばらくの間は、価格が下がりにくい堅調な相場が継続するだろう」と分析しており、今後の推移が注目されます。
今後発表が予定されている天然ゴム生産国連合(ANRPC)の2019年01月から05月期の需給報告でも、前回に引き続き供給不足が予測されています。個人的な見解としても、自動車需要が底堅い中で、生産コストラインでの反発は市場の健全な反応と言えるでしょう。需給バランスの引き締まりが現実味を帯びる中、天然ゴム相場は新たな局面を迎えているようです。この上昇トレンドがどこまで続くのか、目が離せない展開が続きます。
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