2019年09月01日から2019年09月02日にかけて、中国の重慶市で胸を締め付けられるような事件が立て続けに発生しました。新学期の幕開けという本来なら希望に満ちたタイミングで、3人の中学生が自ら命を絶つという痛ましい事態に陥ったのです。この非常事態を受け、重慶市教育委員会は2019年09月02日の夜、各学校に対して学生の安全管理を徹底するよう異例の緊急通知を発行しました。
なぜ、未来ある若者たちがこれほどまでに追い詰められてしまったのでしょうか。その背景には、想像を絶するほど過酷な中国の進学競争、いわゆる「内巻(ネイジュアン)」の状態があります。内巻とは、限られた資源や成功を奪い合うために、集団全体が際限のない過当競争に巻き込まれ、疲弊していく現象を指す言葉です。重慶の子どもたちも、この渦中で息を潜めるように生活していたのでしょう。
彼らの日常を覗いてみると、早朝から深夜まで学校での授業がぎっしりと詰め込まれています。さらに帰宅した後も、山のような宿題が彼らの休息を奪い去るという、過酷極まるスケジュールが常態化していました。SNS上では「これでは監獄と変わらない」「子どもたちの笑顔を奪ってまで手に入れる学歴に価値はあるのか」といった、保護者や若者たちからの悲痛な叫びが次々と投稿されています。
筆者の個人的な見解としては、教育の本来の目的は個人の可能性を広げることであり、命を削ってまで競わせるものではないと強く感じます。数値化された成績だけで人間の価値を測るような社会構造は、あまりにも不健全ではないでしょうか。重慶で起きたこの連鎖的な悲劇は、急速な経済発展の影で置き去りにされた「心のケア」がいかに重要であるかを、私たちに重く突きつけていると言えるでしょう。
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