【少子化問題】希望出生率1.8は実現可能か?若者の不安と「昭和モデル」社会システムの壁

2018年に生まれたお子さんの数は、なんと約91万8千人と過去最少を記録しました。これは、日本の将来を考える上で非常に憂慮すべき事態といえるでしょう。さらに、一人の女性が生涯に産む子どもの数を示す合計特殊出生率も1.42となり、3年連続で低下している現状があります。政府は**「希望出生率1.8の実現」を目標に掲げていますが、現実に起きているのはその目標とは真逆の動きであり、このままでは「絵に描いた餅」に終わってしまうのではないかと、筆者としては強い懸念を抱いています。

この出生率の低下は、若者の将来に対する経済的な不安や、子育てを取り巻く社会システムへの不満の反映と見るべきではないでしょうか。実際、平均初婚年齢や第一子出産年齢はここ数年、高い水準で横ばいが続いています。出生率1.42という数字は、国が2017年にまとめた将来推計人口の値よりも低く、事態は政府の予測よりも深刻に進行していることがうかがえます。お子さんを持つ、持たないという選択は個人の自由ですが、「結婚したい」「子どもを持ちたい」と願う若者が多いにもかかわらず、それが叶わない「壁」が今の社会には存在しているのです。

最も大きな問題は、現在の社会の仕組み、すなわち「社会システム」が、共働きを目指す現代の若い世代の実態と合っていない点にあると考えられます。国の調査では、妻に専業主婦を望む未婚男性は1割にまで減少し、共働き世帯の数は2018年には1,200万を超え、専業主婦世帯の2倍以上となっているのです。しかし、保育サービス不足に見られるように、国のさまざまな制度や、企業における文化は、「専業主婦の妻と正社員の夫」という「昭和モデル」からいまだに脱却できていないのが現実ではないでしょうか。

特に保育サービスの不足は深刻です。たとえ3歳から幼児教育・保育が無償化(タダ)になると言われても、0歳から2歳のお子さんを預ける場所が見つからなければ、共働きでの子育ては非常に難しくなります。また、職場での働き方も、長時間労働をいとわない「昭和モデル」のままでは、男女を問わず、安心して子育てと仕事を両立させることは困難でしょう。企業は、働く時間や場所の選択肢を増やすことや、転勤制度の見直しなど、できることは多いはずであり、これらの取り組みこそが「働き方改革」の本質であると筆者は考えます。

経済基盤の不安定さも、若者が結婚や出産に踏み切れない大きな要因の一つです。新卒一括採用に頼りきるのではなく、再チャレンジが可能な労働市場改革を、政府と民間企業が一体となって推進していく必要があります。また、SNSでは「#少子化対策**」といったハッシュタグで、保育園の待機児童問題や、非正規雇用の不安定さが結婚・出産の障壁になっているという若者世代の切実な声が多く見受けられ、これらの声に社会全体が真剣に耳を傾けるべきでしょう。

今回の出生数減少の大きな要因として、25歳から39歳の女性の数が前年より2.5%も減少したことが挙げられます。長年にわたり「いずれ出生率は上がるだろう」と楽観視し、少子化に対する根本的な対策を怠ってきた「ツケ」が、今まさに噴出しているのです。2018年の人口の自然減(出生数から死亡数を引いた数)は、過去最大の約44万4千人に達しました。

安倍晋三首相は、少子高齢化を**「国難」と位置づけています。もし本当にそうであるならば、これは個人の問題ではなく、社会の構造的な問題として捉え、古い「昭和モデル」を捨て去り、新しい時代と、多様な生き方をする現代の若者に合った「社会システム」を、官民一体となって「つくりあげる」**決意と行動が、今こそ必要とされているのでないでしょうか。

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