神奈川県を中心に路線を展開する相模鉄道、通称「相鉄」のグループ会社が、2019年6月19日、訪日外国人の方々を対象とした異色の職業体験プログラムを実施しました。これは、日本の鉄道会社が持つ独自の魅力を観光資源として活用する可能性を探る、たいへん興味深い試みと言えるでしょう。体験会には、日本への留学を検討している米国の中学生や高校生など、総勢46名が参加され、日本の鉄道現場ならではの貴重な経験を満喫したとのことです。
体験の舞台となったのは、神奈川県海老名市にある厚木操車場です。参加された中高生の皆さんは、実際に電車の運転台へ乗り込み、指導運転士の方とともに、場内のおよそ220メートルを往復運転するという本格的な内容に挑戦されました。特に、車両を停止させるためのブレーキ操作や、電車の速度を調整するマスコン(主制御器のこと、自動車でいうアクセルに相当します)を自らの手で動かすという経験は、参加者にとって大きな興奮を呼んだようです。「想像していたよりも難しかった」「でも、すごく楽しかった」といった素直な感想が聞かれ、引率の教員の方々からも非常に高い評価を得たといいます。安全確保のため、指導運転士がブレーキに手を添える形での体験となりましたが、ご自身でマスコンを操作できる点は、満足度を高めた大きなポイントでしょう。
さらに、運転体験と並行して、車掌の業務も体験されました。具体的には、電車のドアの開閉操作や、車内放送のアナウンス業務です。普段何気なく利用している鉄道ですが、その裏側にある緻密な運行システムや、乗客に対する細やかなサービス精神を肌で感じられたに違いありません。相鉄グループがこのような外国人向けの体験会を開催するのは、今回が2回目となります。直近では6月6日に、横浜駅構内で電車の出発合図やアナウンスの体験が行われました。これらの企画を通じて、相鉄は日本の鉄道の魅力を発信すると同時に、海外における「相鉄」ブランドの認知度向上を図りたい考えです。
この取り組みは、単なるPR活動にとどまらず、現場の社員教育という面でも重要な役割を担っていると私は考えます。体験会を通じて、社員の方々が外国人参加者と直接触れ合う機会が増えることは、多様な文化を持つ人々への接客ノウハウを磨く絶好の機会となるでしょう。将来的に訪日外国人観光客がさらに増加していくことを想定すれば、このような現場での実践的な経験は、企業の対応力強化に直結し、非常に意義深いと言えます。
インターネット上、特にSNSでは、「これは新しい観光の形だ!」「日本の電車は世界に誇れるアトラクションになる」「プロの仕事の難しさを知る良い機会」といった、この斬新な体験企画を評価する声が多数寄せられていました。実際に、日本の「安全・正確」な鉄道運行は世界トップレベルであり、その舞台裏を体験できるというのは、鉄道ファンならずとも大変魅力的なプログラムでしょう。相鉄が目指す、鉄道を核とした新たな観光プログラムとしての展開は、訪日客に日本の奥深い文化や技術力を伝える起爆剤となる可能性を秘めています。今後の展開に期待が高まりますね。
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