牛乳やバターの原料となる「生乳」。これは牛から搾った直後の、殺菌処理などを施していない新鮮なミルクのことです。この生乳に関して、酪農家や乳業メーカーで構成される業界団体「Jミルク」が、2019年10月14日までに最新の生産見通しを発表しました。2019年度の全国の生産量は、前年度を0.5パーセント上回る731万8000トンに達する見込みとなっています。これにより、実に4年ぶりとなる増産ペースを維持する形となりました。
一方で、気がかりなデータも報告されています。同年9月に千葉県などを中心に甚大な被害をもたらした台風15号の影響により、7月時点の予測からは0.1ポイントの下方修正を余儀なくされました。SNS上でも「酪農家さんの被害が心配」「牛乳がスーパーから消えないか不安」といった消費者の声が数多く投稿されており、自然災害が食卓に直結する不安が広がっている様子がうかがえるでしょう。
地域別の生産動向に目を向けると、明確なコントラストが浮かび上がります。広大な土地を持つ北海道では、前年度より2.5パーセント増の406万6000トンと順調な伸びを示す見込みです。対照的に、本州をはじめとする都府県では1.9パーセント減の325万2000トンと落ち込みが予想される状況となっています。この都府県における不足分を補うため、北海道から運び込まれる生乳の量は前年度比9.8パーセント増の54万トンへと大幅に拡大する見通しと言えるでしょう。
日本の食卓に欠かせない乳製品を守るためには、北海道への依存度を高めるだけでなく、都府県での酪農基盤の維持・強化が急務だと私は考えます。異常気象が頻発する昨今、一極集中の生産体制は輸送リスクと隣り合わせだからです。私たち消費者も、日々何気なく手に取る牛乳がどのような経路で届いているのかを意識し、地域に根差した酪農家を応援する姿勢を持つことが大切ではないでしょうか。
コメント