2019年10月13日現在、電子漫画の世界に劇的な変化が訪れています。かつてインターネット上を騒がせた海賊版サイト「漫画村」が2018年04月に閉鎖されてからというもの、正規の配信サービスを利用するユーザーが急増しました。これにより、電子コミックを運営する上場企業の業績は驚異的なスピードで拡大しています。SNS上でも「安心して読める公式サービスが増えて嬉しい」「推しの作家さんに還元できるのが一番」といった、正規版への移行を好意的に捉える声が目立ち始めています。
特に注目すべきは、インフォコムやイーブックイニシアティブジャパンといった主要企業の成長率です。これらの企業は、わずか2年間で売上高が5割以上も増加するという異例の活況を呈しています。スマホで漫画を「購入して読む」という文化が、若い世代を中心に生活の一部として完全に定着したといえるでしょう。かつては無料で見られることが当たり前だった不適切な時代を乗り越え、現在はコンテンツに対して対価を支払うという、健全で持続可能なエンターテインメントの形が再構築されているのです。
主要プラットフォームの躍進と独自戦略の成功
「めちゃコミック」を運営するインフォコムは、2020年03月期の電子コミック事業において、売上高318億円を見込むほどの勢いを見せています。2018年03月期と比較すると、わずか2年で約1.5倍にまで市場を広げた計算です。ここでいう「売上高」とは、企業がサービスを通じて得た総収入を指しますが、同社は30代女性をターゲットに据え、婚活や出産といったライフステージに寄り添うオリジナル作品を強化したことが功を奏しました。利益面でも51億円という高い水準を維持しています。
一方で、Zホールディングス傘下のイーブックイニシアティブジャパンも負けてはいません。2020年03月期の売上予測は190億円に達し、2年前からの増収率は約6割という驚異的な数字を叩き出しています。同社は「PayPay」などのスマホ決済との連携や、ポイント還元といったグループシナジーを最大限に活用しました。このように、単に漫画を提供するだけでなく、お得感や利便性を追求する「マーケティング(顧客のニーズを汲み取り、売れる仕組みを作ること)」の巧みさが、今の急成長を支えているのです。
出版社への恩恵と著作権保護が拓く未来
この波は配信サイトに留まらず、コンテンツを生み出す出版社にも大きな利益をもたらしています。KADOKAWAでは、2019年04月から2019年06月までの四半期における電子書籍・雑誌の売上高が、前年比で31%も増加しました。これは四半期ベースで過去最高を更新する快挙です。自社サイトでの直接販売に加え、外部サイトへの提供も好調に推移しており、デジタルの力が良質な作品をより多くの読者へと届ける架け橋になっていることが伺えます。
しかし、この成功の裏には深刻な被害の歴史があったことも忘れてはなりません。調査によると、漫画村による著作権被害額は約3000億円にものぼると推計されています。「著作権」とは、作者が心血を注いで生み出した作品を守るための法的権利ですが、これが不当に侵害されていたのです。海賊版サイトの閉鎖を転換点として、市場全体が「正しく作品を楽しむ」方向へと舵を切ったことは、文化の発展において極めて意義深いことだと私は強く確信しています。
インプレス総合研究所のデータによれば、2018年度の電子コミック市場は前年比で29%もの伸びを記録しました。漫画を愛する一人として、クリエイターが報われ、読者が手軽に高品質な作品を楽しめる今の環境は、理想的な進化を遂げていると感じます。今後もさらなる技術革新や魅力的な新作の登場により、私たちのスマホの中にある「本棚」は、より一層豊かで彩り豊かなものになっていくに違いありません。
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