人気テレビ番組での辛口添削でお馴染みの俳人、夏井いつきさんが2019年10月24日に発表したエッセイが、多くの読者の心に温かな灯をともしています。全国を飛び回り、句会ライブや講演会で多忙を極める彼女ですが、その日常は家族や孫との何気ない触れ合いに満ちているようです。一見すると体力の衰えを感じさせる「老い」という現象を、夏井さんは独自の「俳人的視線」で鮮やかに捉え直しています。
SNS上では、このエッセイに対して「老いを受け入れる勇気をもらった」「夏井先生のように軽やかに年を重ねたい」といった共感の声が次々と上がっています。加齢に伴って視力が落ち、老眼鏡が手放せなくなることは、多くの人にとって憂鬱な出来事かもしれません。しかし彼女は、そうした身体的な変化を単なる劣化として悲観するのではなく、むしろ新しい世界の見方として面白がっている様子が伝わってきます。
不都合さえも味方にする!「聞こえない」がもたらす心の平穏
特に印象的なのが、身体の衰えを「効用」として逆手に取る発想の転換です。例えば、耳が少し遠くなることを「聞きたくないことを聞かずに済む」と表現するあたりに、夏井さんらしい知的なユーモアを感じずにはいられません。専門用語で言えば、これは一種の「サクセスフル・エイジング」の体現と言えるでしょう。これは、加齢による変化を拒絶するのではなく、適応しながら幸福感を維持する生き方を指します。
私自身の意見としても、現代社会はアンチエイジングという言葉に象徴されるように、若さへの執着が強すぎるように感じます。そんな中で、ありのままの自分を肯定し、日常の風景に感謝を捧げる彼女の姿勢は、非常に健全で豊かなものです。老いによって失われるものに目を向けるのではなく、老いたからこそ手に入る「心の余裕」や「静寂」を大切にする視点は、忙しい現代人が見失いがちな真理ではないでしょうか。
孫とのやり取りを通じて描かれる慈愛に満ちた時間は、まさに俳句が切り取る一瞬の煌めきそのものです。2019年10月24日という日々に刻まれた彼女の心境は、これからシニア世代を迎える人々にとって、一筋の希望の光となるに違いありません。老いを嘆くのではなく、それを一風変わった「芸の肥やし」や「人生のスパイス」として楽しむ心の持ちようを、私たちも学びたいものですね。
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