2019年10月24日、日本の政治シーンに一石を投じる極めて重要な発言が飛び出しました。自民党の重鎮であり、衆議院議長も務めた経験を持つ伊吹文明氏が、二階派の会合において、憲法改正を争点に掲げた衆議院の解散・総選挙について明確に否定的な見解を示したのです。
伊吹氏は、内閣が持つ「解散権」と国会が持つ「改憲の発議権」は全く別物であると強調しました。これは、三権分立という民主主義の基本ルールに深く関わる問題です。自分の権限が及ばない領域の事柄を理由にして、伝家の宝刀である解散権を振るうことは許されないという、憲法学者さながらの厳しい論理を展開されました。
権限の越境を許さない「発議権」と「解散権」の境界線
ここで整理しておきたいのは、憲法改正のプロセスです。「改憲の発議権」とは、憲法を変える案を国民に提示することを決める権利であり、これは主権者の代表が集まる国会だけに認められています。一方、衆議院を解散させる「解散権」は行政のトップである内閣に属するもので、この二つは峻別されなければなりません。
伊吹氏の言葉を借りれば、内閣が手を出せないはずの「改憲」を理由に選挙を行うことは、法の支配を逸脱する行為に映るのでしょう。SNS上では「これこそ真の保守政治家の良心だ」といった称賛の声が上がる一方で、「政治的な駆け引きとして解散は自由であるべきだ」という現実論も入り乱れ、大きな議論を呼んでいます。
私個人の見解としても、昨今の政治において解散権が時の政権の都合で「伝家の宝刀」以上に便利使いされている現状には危惧を覚えます。伊吹氏のような憲法の番人とも言える冷静な指摘は、目先の選挙戦略に走りがちな政界において、私たちが守るべき民主主義のルールを再認識させてくれる貴重なブレーキではないでしょうか。
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