2019年10月27日、兵庫県のマスターズゴルフ倶楽部で熱戦が繰り広げられた「NOBUTA GROUP マスターズGCレディース」の最終日、女子ゴルフ界に新たな衝撃が走りました。首位と6打差という、一見すると絶望的とも思える位置からスタートした柏原明日架選手が、驚異的な追い上げを見せたのです。プロ6年目を迎えた彼女は、この日だけで6つのバーディーを奪う猛攻を見せ、ボギーを一つも叩かない完璧なゴルフを展開しました。
最終的なスコアは通算14アンダーの274をマークし、見事な逆転勝利を飾っています。これは同年9月に開催された「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」に続くツアー通算2勝目となり、優勝賞金3,600万円という高額タイトルを手にしました。柏原選手の精神力の強さが際立った試合展開に、会場を訪れたファンからは「鳥肌が立った」といった称賛の声が相次いでいます。
復活を印象付けたイ・ボミと若手の台頭
惜しくも1打差で2位に甘んじたのは、かつての賞金女王である韓国のイ・ボミ選手でした。全盛期を彷彿とさせるショットの正確性を見せ、最後まで柏原選手を追い詰める姿は、多くのゴルフファンを熱狂させています。さらに1打差の3位には、実力派の若手である稲見萌寧選手と小祝さくら選手が食い込みました。次世代を担うプレイヤーたちが着実に結果を残している点に、現在の日本ツアーの層の厚さを感じずにはいられません。
ここで「パープレー」という専門用語について解説しておきましょう。これは、各ホールに設定された基準の打数(パー)と同じスコアで回ることを指します。今回、大きな期待を背負って出場した渋野日向子選手は、この最終日にスコアを伸ばすことができずパープレーに終わり、通算6アンダーの12位という結果に留まりました。爆発力が魅力の彼女だけに、この足踏み状態にはSNS上でも「次は期待している」と励ましの声が多く寄せられています。
前日までトップを独走していたテレサ・ルー選手は、最終的に11アンダーの5位に終わりました。ゴルフにおける「サンデーバックナイン(最終日の後半9ホール)」の重圧が、いかに過酷であるかを改めて物語る結果と言えるでしょう。編集者としての私の視点では、この日の柏原選手のプレーには、単なる技術以上の「勝ち切る執念」が宿っていたように感じられました。
今大会の結果を受けて、女子ゴルフ界の賞金女王争いはさらに混沌としていくことが予想されます。特に復活の兆しを見せたイ・ボミ選手や、2勝目を挙げたことで自信を深めた柏原選手が、今後の秋の陣でどのようなプレーを見せるのか目が離せません。一戦ごとにヒーローやヒロインが入れ替わる現在のツアー環境は、観客を飽きさせない最高のエンターテインメントへと進化を遂げているのです。
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