北の大地を支える公共交通の要、JR北海道が2019年11月8日に発表した2019年4月1日から2019年9月30日までの連結決算は、厳しい現実を突きつける内容となりました。最終的な利益を示す純損益は3億8800万円の赤字を記録し、前年に引き続き2期連続でマイナスから抜け出せない状況が続いています。
赤字の主な要因は、安全運行を守るために欠かせない車両や設備の「修繕費」が膨らんだことにあります。修繕費とは、鉄道のレールや車両を良好な状態に保つためのメンテナンス費用のことで、老朽化への対応が経営の重荷となっているのです。SNS上では「安全のためには仕方ないけれど、経営の厳しさが伝わってくる」といった、同情と不安が入り混じった声が目立ちます。
好調な不動産事業が鉄道の赤字をカバーする構図
一方で、明るい兆しも見えています。本業を支えるための多角化経営が功を奏しており、売上高に相当する営業収益は前年比3%増の855億円に達しました。特に札幌駅直結の商業施設「JRタワー」やホテル事業が好調で、観光需要や都市開発の恩恵をダイレクトに受けています。
しかし、これら関連事業の収益をもってしても、広大な路線網を維持するコストを完全には補いきれていないのが現状でしょう。私は、鉄道という社会インフラを守るためには、単なるコスト削減だけでなく、不動産開発のような収益源をさらに強化し、経営の柱を太くしていく戦略が不可欠だと感じています。
今後の見通しについては、運賃改定による増収効果が期待されるものの、人件費や資材費の高騰もあり、採算の確保は容易ではありません。JR北海道が直面している課題は、日本の地方鉄道が抱える問題の縮図とも言えます。2019年度後半に向けて、経営基盤をいかに安定させるのか、その手腕が厳しく問われることになるでしょう。
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