化学メーカー大手の日東電工が、2019年10月28日に発表した2019年4月1日から2019年9月30日までの連結決算は、厳しい世界情勢を色濃く反映するものとなりました。発表によりますと、純利益は前年の同じ時期に比べて17%減少した291億円に留まっています。
この減益の大きな要因として挙げられるのが、長期化する米中貿易摩擦による影響です。特にスマートフォン向けの光学フィルムなどの材料需要が落ち込んだことで、売上高も前年同期比で6%減という結果になりました。製造現場の苦境が数字となって表れています。
ここで注目すべきは、日東電工が強みを持つ「ニッチトップ」戦略への影響でしょう。これは特定の狭い市場で圧倒的なシェアを握る経営手法を指しますが、スマホという巨大市場そのものが停滞すると、流石の優良企業も逆風を避けられないのが現実のようです。
2020年3月31日に終了する通期の業績予想についても、同社は慎重な姿勢を崩していません。最終的な純利益は前期比22%減の520億円になる見通しを立てており、武内徹専務は中国経済の停滞がさらに長期化する可能性について強い懸念を示しました。
さらに追い打ちをかけるのが、為替相場における円高の進行です。海外売上比率の高い企業にとって、円高は現地で稼いだ利益を日本円に換算する際に目減りさせてしまう天敵と言えます。外部環境のダブルパンチにより、利益が大きく押し下げられる形となりました。
SNS上では「ハイテク銘柄の指標としても注目していたが、やはり米中問題の根は深い」といった冷ややかな反応や、「この苦境をどう技術革新で乗り越えるのか注視したい」という期待の声が混在しています。投資家の間でも、今後の回復シナリオに注目が集まっています。
筆者の視点としては、現在の不透明な経済状況下では、単なるコスト削減だけでなく、次世代通信規格「5G」などの新領域へいかに早くシフトできるかが鍵だと考えます。日東電工の高い技術力があれば、この踊り場を脱する底力は十分にあるはずです。
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