2019年11月06日現在、東京宝塚劇場では花組トップスター明日海りおさんの集大成となる退団公演が上演されており、連日多くのファンがその姿を目に焼き付けています。稀代のスターが最後に選んだ役どころは、なんと神秘的なバラの精霊です。劇場へ足を踏み入れた瞬間に広がる幻想的な世界観は、観客を日常から切り離し、一瞬で夢の国へと誘ってくれることでしょう。
物語の舞台は19世紀の英国に佇む、歴史ある貴族の屋敷に構えられた美しいバラ園です。明日海さんが演じる白バラの精霊エリュは、豊かな想像力を持つ少女シャーロットと出会い、種族を超えて心を通わせていきます。しかし、自然界の厳格な掟を破った代償として、彼は罪の象徴である「青色」に姿を変えられ、荒廃した庭園に閉じ込められるという過酷な運命を辿るのです。
「青」を基調としたウェーブヘアや、細部まで計算されたアイシャドーを纏った明日海さんの姿は、息を呑むほどの透明感に満ち溢れています。派手なストーリー展開こそありませんが、指先の動き一つから漏れ出る色気や、憂いを帯びた表情が物語の深みを増幅させているのです。切ない愛の葛藤を表現するその姿は、まさにトップスターとしての誇りを感じさせます。
特に圧巻なのは、ラストシーンで響き渡る伸びやかで力強い歌声でしょう。また、今回がトップ娘役としての大劇場お披露目となる華優希さんは、一人の女性の波乱に満ちた生涯を見事に演じきっています。少女時代から穏やかな晩年までを違和感なく体現する彼女の繊細な演技力は、明日海さんの持つ圧倒的な存在感と見事なハーモニーを奏でていると断言できます。
SNSで話題沸騰!100周年を牽引した「伝説の男役」が刻む最後の輝き
SNS上では「明日海さんの美しさがこの世のものとは思えない」「オペラグラスが手放せないほど細部まで完璧」といった絶賛のコメントが相次いでいます。ファンの間では「青のエリュ」というビジュアルの破壊力が大きな話題となっており、彼女の卒業を惜しむ声と共に、その神々しいまでの佇まいに陶酔する投稿がタイムラインを埋め尽くしている状況です。
後半のレビュー「シャルム!」では、宝塚の醍醐味である黒燕尾(くろえんび)の群舞や軍服姿など、ファンの理想を形にしたような豪華なステージが展開されます。黒燕尾とは、夜の正礼装として知られる裾の長い上着を用いた、宝塚男役にとっての「魂」とも言える衣装です。しなやかで華麗な明日海さんと、次期トップを担う柚香光さんの力強く端正な魅力が、対照的な輝きを放っています。
2014年にトップスターに就任して以来、明日海さんは主演した大劇場公演9作品すべてで劇場稼働率100%超えという異次元の記録を打ち立ててきました。劇団理事長からも「史上最強」と称されるその人気の秘密は、確かな実力に裏打ちされた優美さと、時折見せる妖艶な個性の同居にあります。まさに宝塚の歴史を塗り替えてきた稀代のスターによる、渾身のステージです。
私個人の見解としても、明日海りおという役者が宝塚に残した功績は計り知れないと感じています。単なる人気スターという枠を超え、舞台に対する真摯な姿勢と圧倒的な美学で、多くの人々に夢と希望を与えてくれました。2019年11月24日の千秋楽まで、彼女が放つ最後の輝きを日本中のファンが見守り続けるに違いありません。
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