山形県の農業がいま、熱い視線を浴びています。山形県が発表した最新の調査結果によりますと、2018年06月から2019年05月31日までの1年間で、県内の新規就農者数が348人に達したことが判明しました。これは4年連続で300人の大台を突破する快挙であり、過去最多の数値を塗り替える驚くべき勢いを見せています。
この実績は東北各県の中でも群を抜いており、4年連続で東北地方のトップを維持しています。SNS上では「フルーツ王国山形のポテンシャルはすごい」「若い世代が農業に興味を持つのは嬉しいニュースだ」といった、地方創生に対する期待の声が数多く寄せられました。なぜこれほどまでに、多くの人々が山形の土に触れることを選んでいるのでしょうか。
多様化する働き方と「雇用就農」という新たな選択肢
今回の調査で注目すべき点は、就農の形態が大きく変化していることです。実家が農家ではない「非農家」出身の新規参入者が167人と前年より増加し、さらに一度別の職業を経験した後に故郷へ戻る「Uターン就農」も142人と好調な数字を記録しました。一方で、学校を卒業してすぐに就農する層は39人と、微減傾向にあります。
特筆すべきは、全体の約52%にあたる182人が、自ら経営するのではなく会社組織に所属する「雇用就農者」であるという事実です。ここでいう雇用就農とは、企業が運営する農業法人などにサラリーマンと同じような形で雇用され、給与を受け取りながら働くスタイルのことを指します。この仕組みが、未経験者のハードルを下げているのでしょう。
一方で、今後の課題も見えてきました。女性の就農割合は20%に留まり、3年前の30%と比較すると減少傾向にあります。世代別で見れば10代から30代の若手層が全体の6割を占めており、活気にあふれている点は非常に頼もしい限りです。若者が主役となることで、伝統的な農業に新しい風が吹き込まれることが期待されます。
山形が「農業の聖地」として支持される充実のサポート体制
東北農政局は、山形県にこれほど多くの志望者が集まる理由について、県全体のサポート体制が極めて充実していることを挙げています。また、受け皿となる農業法人側が人材を積極的に採用しようとする意欲が非常に高いことも、大きな要因といえるでしょう。研修制度や資金面でのバックアップが、挑戦者の背中を強く押しています。
私自身の見解としましては、この「山形モデル」こそが日本農業の再生の鍵を握ると確信しています。農業を単なる家業として捉えるのではなく、組織的な「産業」として確立させたことが成功の秘訣ではないでしょうか。安定した雇用環境を整えることで、情熱ある若者が安心して飛び込める土壌が出来上がっているのだと感じます。
2019年11月06日現在、山形県は名実ともに東北の農業を牽引するリーダーとしての地位を確立しました。今後は、減少傾向にある女性就農者の支援をさらに強化することで、より多様性に富んだ豊かな農村文化が築かれるはずです。四季折々の恵みを届ける山形の農業が、これからどのような進化を遂げるのか、目が離せません。
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