リニア山梨駅が甲府市大津町に正式決定!1年間の再検証がもたらした身延線救済の光と今後の地域活性化への課題とは

2027年の開業に向けて大きな期待が集まるリニア中央新幹線ですが、山梨県内の新駅設置場所を巡る議論がついに決着を迎えました。長崎幸太郎知事は2020年1月20日の記者会見で、当初の計画通り甲府市南部の大津町に決定したと発表したのです。2019年の知事選での公約に基づき、1年間にわたり慎重な再検証が行われてきましたが、最終的には「元のサヤ」に収まる形となりました。

ネット上やSNSでは「ようやく場所が決まって一安心」「新幹線と在来線の連携をしっかり考えてほしい」といった安堵の声が上がっています。その一方で、「検証に費やした1年間で周辺開発のポテンシャルが停滞してしまったのではないか」と、開業までのタイムリミットを心配するシビアな意見も散見されます。

そもそもこの再検証は、前知事時代に提示された「1日最大1万9700人」という乗降客数の予測データに対して、長崎知事が根拠が不十分であると疑問を呈したことから始まりました。知事は、甲府市から静岡県を結ぶJR身延線とのアクセス性を重視し、リニアと身延線が交差する中央市の小井川駅に新駅を接続させる案も含めて、専門的なシミュレーションによる比較を行ったのです。

この乗降客数とは、駅を利用する乗客と降客の合計数のことで、インフラ整備の需要を測る極めて重要な指標となります。検証の結果、大津町単独案と小井川駅接続案の双方ともに1日1万100人という同数の予測が出ました。しかし、大津町に新駅を置きつつ、小井川駅へシャトルバスを運行する第3の案が1万3500人と最も高い数値を記録し、優位性が証明されたのです。

私自身の見解としては、この1年間は決して無駄な足踏みではなかったと考えます。山梨県は深刻な車社会であり、全国平均を上回るスピードで高齢化が進行しています。地域の足である身延線は無人駅が多く、交通系ICカードのSuica(スイカ)も利用できないという課題を抱えており、地元では将来的な廃線を危惧する切実な声が常に渦巻いていました。

もし知事が大津町へストレートに決めていれば、身延線沿線の危機感は置き去りにされていたでしょう。長崎知事が会見で「身延線の利用者も増加する」と強調し、シャトルバスの運行を構想に盛り込んだことは、地域全体の交通ネットワークを存続させるための見事な政治手腕であり、大局的な価値がある選択だったと評価できます。

地元経済界からも、概ねポジティブな受け止め方がなされています。甲府商工会議所の進藤中会頭は、大津町からの変更は現実的に難しいと見つつも、身延線との連携が具体化したことで山梨全体にプラスの効果が生まれると期待を寄せています。100年先の未来を見据えた選択として、この議論は必要なプロセスだったと言えるでしょう。

山梨経済同友会の入倉要代表幹事も、遅れは十分に挽回可能であると力説しています。新駅から県内各地へのアクセスを整備するために、県がリーダーシップをとって予算を投じるべきだという意見には私も強く同意します。リニアの恩恵を甲府周辺だけでなく、観光地を含めた県内全域に行き渡らせる交通結節点(インフラの接続点)の構築が急務です。

最大の障壁は、当事者である県民の関心が未だに高まっていない点にあります。人口減少と経済縮小という厳しい現実に直面する山梨県において、リニアは最大の起死回生の一手です。県民一人ひとりがこの巨大プロジェクトを自分事として捉え、地域をどう変革していくか知恵を絞るべきであり、残された時間はもう多くはありません。

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