2019年08月16日、日本政策金融公庫千葉支店が発表した中小企業動向調査の結果が注目を集めています。2019年04月01日から2019年06月30日までの期間における業況判断DIはプラス16.7を記録しましたが、これは前の四半期と比較して4.9ポイントの低下となりました。県内経済を支える中小企業の熱量が、わずかに落ち着きを見せている状況です。
ここで重要な指標となる「DI」について解説しましょう。これは「景況判断指数」のことで、景気が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を差し引いて算出されます。プラスであれば前向きな企業が多いことを示しますが、今回の下落は、現場の経営者たちが肌で感じている「景気の冷え込み」を数値として裏付ける形となりました。
特に深刻なのが製造業の落ち込みで、DIはプラス4.4と、前期から30.6ポイントも急落しました。この背景には、現在世界中を揺るがしている米中貿易摩擦が影を落としています。中国に製造の拠点を置く通信関連部品メーカーからは、米国内での販売が急激に減少しているという悲鳴に近い声も上がっており、国際情勢の荒波が千葉の工場にも押し寄せているのです。
こうした状況を受け、SNS上では地元の経営者やビジネスマンから不安の声が漏れています。「取引先の発注が急に減った理由はこれだったのか」という納得の声や、「製造業の不調は、いずれサービス業にも波及するのではないか」といった、将来的な景気後退を危惧する投稿が相次いでおり、ネット上でも緊張感が高まっている様子が見受けられます。
さらに懸念されるのは、設備投資への意欲が減退している点でしょう。投資を実施した企業の割合は33.3%に留まり、前の期から23.1ポイントも減少して約5年ぶりの低水準となりました。不透明な先行きを前に、財布の紐を固く締めざるを得ない経営者たちの苦悩が透けて見えます。将来への種まきが滞ることは、地域の競争力低下に繋がらないか心配です。
労働力不足という変わらぬ壁と編集部の視点
一方で、景気が足踏み状態にあるにもかかわらず、経営上の最大の悩みとして「求人難」を挙げる企業が36.8%と最多でした。仕事が減りつつある分野がある反面、働く人が足りないという構造的な問題は依然として解決していません。このミスマッチこそが、現代の中小企業が抱える最も根深い「病根」であると言えるのではないでしょうか。
私自身の見解としては、今の千葉の中小企業には「守り」と「攻め」の絶妙なバランスが求められていると感じます。貿易摩擦という外部要因はコントロールできませんが、人手不足を解消するためのIT導入や、特定の市場に依存しない販路の多角化は、今すぐ着手できるはずです。苦しい時期だからこそ、次なる飛躍に向けた体質改善が必要なのです。
今回の調査結果は、決して楽観視できるものではありませんが、非製造業についてはDIがプラス23.2と堅調さを維持している明るい兆しも存在します。県内の全産業が連鎖的に冷え込む前に、官民が一体となって製造業への支援や雇用の流動化を促す施策を打てるかどうかが、2019年後半の千葉経済を左右する大きな鍵となるでしょう。
コメント