老後の不安は健康よりも「お金」が1位?40〜70代のリアルな意識調査と資産形成の落とし穴

人生100年時代という言葉が定着しつつある昨今、私たちのセカンドライフに対する意識はどのように変化しているのでしょうか。医療機器大手のオムロンヘルスケア株式会社が、2019年08月23日から2019年08月24日にかけて実施した興味深い意識調査の結果が公表されました。40代から70代の男女6,184人を対象に行われたこの調査では、現代人が抱える切実な悩みの正体が浮き彫りになっています。

調査の結果、驚くべきことに全体の86%もの人々が「老後に不安を感じている」と回答しました。かつては健康こそが最大の関心事と言われていましたが、今回の複数回答による集計では、第1位に輝いた不安の種は52%を占めた「お金」という結果です。第2位の「認知症」や第3位の「自身の介護」といった健康関連の懸念を抑え、経済的な安定を最優先に考えるシニア世代の現実的な視点が反映されていると言えるでしょう。

SNS上では、この結果に対して「体が丈夫でもお金がなければ何もできないという現実が突きつけられている」「長生きがリスクに変わるというパラドックスを感じる」といった声が上がっています。お金がなければ、適切な医療や介護サービスを受けることすら難しくなると考える人が増えているのでしょう。老後の生活を支えるための資産形成は、今や健康維持と並ぶ、あるいはそれ以上の重要課題として認識されているのかもしれません。

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老後の資金対策は「後回し」?意識と行動のジレンマ

しかしながら、今回の調査で最も注目すべき点は、不安の内容と実際の対策が大きく乖離しているという事実です。具体的に取り組んでいる内容を尋ねたところ、最も多かったのは「食生活の改善」で37%に達しました。次いで「定期的な通院や検診」が36%、「日常的な運動」が34%と、上位には健康に関する取り組みがズラリと並んでいます。これに対し、不安のトップだった「お金」への対策は驚くほど低調な数値となりました。

実際の資金準備として「貯蓄」を行っている人は26%に留まり、さらに高度な「資産運用」に取り組んでいる層はわずか13%という結果です。ここで言う資産運用とは、銀行預金のように単にお金を預けるだけでなく、株式や投資信託などを通じて資産を効率的に増やす試みを指します。老後の生活費に対する不安が先行している一方で、具体的なアクションプランとしては依然として健康対策が優先されており、経済的な備えは後手に回っている実態が見て取れます。

さらに見過ごせないのが、回答者の24%が「特に対策をしていない」と答えている点でしょう。何らかの不安を感じつつも、どこから手をつければ良いのか分からず立ち止まっている方が4人に1人も存在することになります。私自身、このギャップは非常に危ういと感じます。健康であれば働けるという考えは立派ですが、万が一働けなくなった際の「お金のクッション」がなければ、健康維持のためのモチベーションすら保てなくなる可能性があるからです。

男女で異なる健康への自信と「健康寿命」の捉え方

最後に、興味深いデータとして「健康寿命」に関する男女の意識差についても触れておきましょう。健康寿命とは、介護などを必要とせず自立して生活できる期間のことを指します。調査によれば、男性の方が女性よりも自分の健康状態を楽観視する傾向が強く現れました。特に70代において、寿命まで自立して過ごせると答えた割合は、男性が54%だったのに対し、女性は40%と14ポイントもの差が生じているのです。

この傾向は40代から60代の全世代で見られ、一貫して男性の方が「自分は最後まで健康でいられる」と信じる傾向にあることが判明しました。SNSでも「男性の根拠のない自信に驚く」といった意見や「女性の方が介護の現場を見ているからこそ、現実をシビアに捉えているのでは」という推察が交わされています。お金への不安を抱えつつも、実際の備えが追いついていない現在の状況は、まさに現代社会が抱える大きな課題を投影していると言えるでしょう。

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