2019年11月07日、日本の基幹産業を支える金属材料市場に大きな動きがありました。建材や厨房機器、さらには精密機械まで幅広く使われるステンレス鋼板の国内流通価格が、力強い上昇を見せています。
今回の値上げは、ステンレスの主要原料であるニッケルの国際相場が跳ね上がったことを直接的に反映したものです。代表的な品種である「SUS304」の2ミリ厚品は、1トンあたり36万5000円前後にまで到達しました。
これは前月と比較して約3%のアップとなりますが、SNS上では「じわじわとコストが押し寄せている」「製品価格への転嫁が避けられないかもしれない」といった、現場の切実な声が数多く飛び交っています。
そもそも「SUS304」とは、クロム18%とニッケル8%を配合した合金で、錆びにくさと加工のしやすさを両立した非常に優秀な素材です。ニッケルはその耐食性を高めるために欠かせないレアメタル(希少金属)の一つと言えるでしょう。
しかし、このニッケルは国際情勢や供給元の輸出規制によって価格が激しく変動しやすい性質を持っています。原材料のコストが増大すれば、私たちの身近にあるステンレス製品の価格にもいずれ波及する可能性が極めて高いのです。
編集者としての私の視点では、この価格上昇は単なる一時的な数値の変化ではなく、サプライチェーン全体がコスト増に耐えうる体力を試されている局面だと感じています。効率化だけでは補えない局面が来ているのかもしれません。
企業は今後のニッケル相場の動向を注視しつつ、安定した調達ルートの確保や付加価値の高い製品開発へ、より一層シフトしていく必要があるでしょう。市場の荒波をどう乗り越えるか、各社の戦略が問われる重要な時期です。
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