【2019年最新】ハイテク産業の命運を握る「レアアース」とは?中国の圧倒的シェアと今後の市場動向を徹底解説

私たちの生活に欠かせないスマートフォンや電気自動車のモーターなど、最先端技術を支える「レアアース(希土類)」が今、世界的な注目を集めています。2019年07月10日現在、一時の高騰を見せていたレアアースの価格には落ち着きが見え始め、市場には一服感が漂ってきました。しかし、その供給網を紐解くと、隣国である中国が依然として圧倒的な支配力を維持している現状が浮き彫りになります。

レアアースとは、合計31種類存在する「レアメタル(希少金属)」という大きなグループの一種です。具体的には、ランタノイドと呼ばれる15元素にスカンジウムとイットリウムを加えた、合計17元素の総称を指します。わずかな量を添加するだけで製品の性能を飛躍的に向上させる特性から、「産業のビタミン」とも称される極めて重要な資源なのです。SNS上でも「私たちのスマホも中国依存なのか」といった、供給不安を懸念する声が多く上がっています。

米国地質調査所(USGS)が算出した2018年のデータによれば、世界全体の生産量17万トンのうち、中国が12万トンを占めており、世界シェアは約7割に達しています。レアアース自体は地球上に広く分布していますが、実は採掘可能な鉱床の多くには、取り扱いが難しい放射性物質が含まれています。これが、他国が生産拡大に二の足を踏む大きな障壁となっているのが現実でしょう。

一方で、中国がこれほどの強みを持つ背景には、地質学的な幸運も存在します。中国南東部の江西省などには、放射性物質をほとんど含まない「イオン吸着型鉱床」という極めて特殊な土壌が広がっているのです。この地質的メリットこそが、中国が環境負荷を抑えつつ効率的にレアアースを生産できる最大の武器となってきました。低コストで高品質な資源を供給できる体制は、一朝一夕に崩れるものではありません。

専門家の分析によれば、中国の真の恐ろしさは単なる採掘量だけではないようです。三菱UFJリサーチ&コンサルティングの清水孝太郎主任研究員は、鉱石の採取から元素の分離・精製、さらには最終製品への加工に至るまで、サプライチェーンの全工程が国内で完結している点に注目しています。つまり、川上から川下までを完全に掌握していることが、中国の市場支配力を不動のものにしていると言えます。

筆者の意見としては、日本を含めた先進諸国は、この「中国一極集中」のリスクを単なる価格変動の問題として捉えるべきではないと考えます。資源を外交のカードとして使われるリスクを回避するためには、代替素材の開発やリサイクル技術の確立を急ピッチで進める必要があるでしょう。現在は価格が安定していますが、ハイテク産業の心臓部を握られているという緊張感は、今後も持ち続けるべき重要な課題ではないでしょうか。

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