世界2位の製紙メーカー「玖龍紙業」が加速させるグローバル戦略!ネット通販の爆発的普及で笑う「製紙の女王」の次なる一手とは?

アジアを代表する巨大企業、玖龍紙業(ナインドラゴンズ・ペーパー・ホールディングス)が、驚異的なスピードで世界の製紙業界を席巻しています。中国に拠点を置く同社は、現在、紙の生産量において世界第2位という確固たる地位を築き上げました。主力製品は、私たちの生活に欠かせない段ボールの材料となる「原紙」です。中国経済のダイナミックな成長の波に乗り、彼らはその事業規模を劇的に拡大させている最中にあります。

近年、デジタル化の進展によって印刷用紙の需要は減少傾向にありますが、その一方で、インターネット通販の爆発的な普及が同社に追い風をもたらしました。商品を届けるための段ボールは、まさに現代のインフラとして不可欠な成長分野となっています。SNS上でも、「通販を利用するたびに、段ボールがいかに重要か実感する」といった声が多く聞かれ、この需要の堅調さが玖龍紙業の強みとなっていることは間違いありません。

この巨大企業を率いるのは、中国で「製紙の女王」と称えられる創業者、張茵(チャン・イン)董事長です。1957年に広東省で生まれた彼女は、27歳という若さで単身香港へ渡り、紙の廃品回収からそのキャリアをスタートさせました。米国で回収した古紙を中国へ輸出して利益を得るという画期的なビジネスモデルを確立し、1995年に会社を設立、そして1998年からは本格的に製紙事業へと乗り出したのです。

驚くべきはその圧倒的な収益力です。2018年6月期の純利益は、前の期から79%もの飛躍を遂げ、78億元(約1200億円)という驚異的な数字を叩き出しました。これは米国のインターナショナル・ペーパーに次ぐ世界レベルの利益水準であり、日本国内で首位を走る王子ホールディングスを凌駕する勢いです。張氏は「3年から5年以内に、純利益を100億元の大台に乗せたい」と、その並外れた野心を隠そうとしません。

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生産能力の強化と海外市場への果敢な進出

同社の売上構成を見てみると、その8割以上を段ボール関連が占めており、残りを印刷用紙や紙の原料となるパルプが支えています。パルプとは、木材や古紙から繊維を取り出したもので、紙を製造する上での最も基礎的な素材を指します。グループ全体の年間生産能力は、2018年12月末時点で約1530万トンに達していますが、同社はさらなる高みを目指し、2021年までに1900万トンまで引き上げる壮大な計画を進行中です。

具体的な戦略として、河北省をはじめとする中国国内の4工場において、新たな段ボール原紙の生産ラインを稼働させる準備を進めています。また、2008年から進出しているベトナム市場でも設備の拡張を予定しており、アジア圏での支配力をさらに強める構えです。さらに驚くべきは、2018年に米国でのパルプ事業に本格参入し、これまでに合計4つの工場を相次いで買収したというスピード感あふれる決断力でしょう。

専門家の分析によれば、世界の紙需要は2023年に向けて、2018年比で約3%成長する見通しです。一見緩やかな伸びに見えますが、ネット通販の拡大が続く限り、高品質な段ボールのニーズは絶えることがありません。こうした背景から、世界各地の市場で王子ホールディングスなどの競合他社とのシェア争いは、今後さらに激化していくことが予想されますが、玖龍紙業の勢いは止まりそうにありません。

筆者の個人的な見解としては、張氏の「ゴミから富を生み出す」という逆転の発想と、市場のデジタル化を逆手に取った段ボール特化戦略は、現代の経営において非常に示唆に富むものだと感じます。環境への配慮が求められる現代において、古紙リサイクルをルーツに持つ同社が、今後どのような持続可能な成長を見せるのか。この「女王」が描くシナリオから、私たちは目を離すことができないでしょう。

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