自動車業界に激震が走る「CASE」の波が押し寄せる中、日本の部品メーカーの雄であるアイシン精機が、次なる一手として整備用部品事業の大胆な拡大に乗り出しました。2019年10月4日、同社はエンジン冷却を担うウォーターポンプや駆動を伝えるクラッチといった、いわゆる「アフターマーケット」向け製品の強化を発表しています。この戦略の目指す先は、独ボッシュやZFといった世界の名だたる巨大サプライヤーと肩を並べる存在への進化に他なりません。
アフターマーケットとは、車が販売された後に発生する点検や修理、部品交換などの市場を指す専門用語です。車を長く安全に走らせるために欠かせないこの領域で、アイシンは現在、ブレーキパッドなど30品目もの幅広いラインナップを展開しています。驚くべきは今後の成長目標で、2019年3月期に453億円だった部門売上高を、2023年3月期には800億円、さらに2031年3月期には2000億円規模へと、凄まじいスピードで引き上げる計画を立てています。
ネット上では「トヨタグループの信頼性があれば、世界でも戦えるはず」「新興国でのシェア拡大は理にかなっている」といった期待の声が多く上がっています。特に注目されているのは、これまで手薄だった巨大市場への攻勢です。2018年度の実績では、中国の売上比率はわずか2%、インドにいたってはゼロという状況でした。この「伸び代」しかない未開の地をいかに開拓するかが、アイシンの未来を左右する鍵となるのは間違いありません。
中国・インドを制する者が世界を制す!スズキとの連携も視野に
具体的な戦略として、中国では2019年6月から現地商社との合弁事業を本格始動させています。これまでの丸投げ体制を改め、修理工場の細かなニーズを直接汲み取ることで、サスペンションなどの足回り部品の拡充を狙う構えです。また、インド市場ではパートナー探しを急ピッチで進めており、トヨタ自動車と資本提携したスズキへの協力要請も検討されています。インドで圧倒的なシェアを誇るスズキとの連携は、まさに最強の布陣と言えるでしょう。
私自身の見解としては、電気自動車(EV)へのシフトが進む中で、既存のエンジン関連部品だけに頼らず、消耗品需要が安定しているアフターマーケットを強化するのは極めて賢明な判断だと感じます。特に新興国では「壊れたら直して乗る」文化が根強く、信頼の日本ブランドに対する需要は計り知れません。アイシンが築き上げてきた高品質なモノづくりの精神が、世界中の街角の整備工場で認められる日は、そう遠くない将来にやってくるはずです。
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