2019年11月08日、東京五輪のマラソンおよび競歩競技の札幌開催という急転直下の決定を受け、事態は大きな節目を迎えました。大会組織委員会の森喜朗会長は、北海道の鈴木直道知事、そして札幌市の秋元克広市長と直接会談を行い、準備に向けた具体的な協議をスタートさせています。
この会談において最も注目されたのは、莫大になると予想される開催費用の分担についてです。森会長は「北海道側に金銭的な迷惑をかけることはない」という旨を明言し、地元自治体の不安を払拭しようとする姿勢を見せました。突然の会場変更に揺れる北の大地に対し、組織委員会として誠意を示した形でしょう。
しかし、地元側のガードは依然として堅いのが現状です。鈴木知事は「組織委員会が費用を負担するのが大原則である」と強く主張し、秋元市長もまた「大会後に恒久的な財産として残る設備以外については、一切の負担を拒む」という一貫したスタンスを貫いています。
ここで言う「恒久施設」とは、大会終了後も市民が利用できる公園の整備や道路の舗装などを指しますが、仮設の観客席や運営スタッフの経費といった「大会限りのもの」に税金を投じることへの懸念は根強いようです。SNS上でも「当然の主張だ」「二転三転した責任は組織委にある」といった声が相次いでいます。
不透明な負担の行方と編集部の視点
編集部としては、今回の「迷惑をかけない」という森会長の言葉が、単なるリップサービスに終わらないことを強く願わずにはいられません。競技の質を担保しつつ、地元の理解を得るためには、迅速かつ透明性の高い予算の開示が必要不可欠ではないでしょうか。
2019年11月08日の段階では、まだ具体的な金額や詳細なスキームは霧の中にあります。熱狂の舞台を作る裏側で、誰がその対価を支払うのかという議論は、五輪の価値を問い直す重要な試金石となるはずです。今後の交渉が、札幌市民や北海道民にとって納得感のあるものになるか、世界中が注視しています。
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