グルメサイトの評価は本物?東海林さだお氏が描いた「食の感動」と現代のネット予約事情

2019年10月24日、私たちは何を基準に「美味しい」を決めているのでしょうか。かつて人気漫画家の東海林さだおさんは、自身の看板エッセーである「丸かじり」シリーズの中で、ある光景をコミカルに描き出しました。それは、グルメ番組に登場するタレントが料理を口にした瞬間、天を仰いで大げさに頷き、「おいしい!」と絶叫する姿です。この描写は、インターネットがまだ影も形もなかった時代の、ある種の様式美に対する鋭い風刺でもありました。

東海林さんの指摘は、情報の受け手がどこか冷めた目で見守っていた「演出された感動」への違和感を代弁しています。しかし、令和の幕が開けた現代において、私たちの食生活は劇的な変化を遂げました。かつてはお茶の間でテレビを眺めていただけの視聴者が、今では自らスマートフォンを握り、膨大な情報の中から店を品定めする時代に突入しています。もはや、外部の評価を一切参考にせずに飲食店を予約する人は、極めて少数派と言えるかもしれません。

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数値化される「おいしい」の正体とSNSの反響

現在の店選びにおいて主流となっているのは、口コミサイトに並ぶ点数や、見ず知らずの誰かが綴った詳細な食レポを確認する作業です。ここでいう「口コミサイト」とは、ユーザーが実際に訪れた感想を投稿し、その統計をスコアとして可視化するプラットフォームを指します。SNS上では「点数が高いから行ってみたが、期待外れだった」という声や、逆に「自分だけの隠れ家が評価されて複雑な気分」といった投稿が散見され、デジタルな評価軸への関心は高まる一方です。

こうした「星の数」を頼りに予約を入れる一連の流れは、失敗を避けたいという現代人の心理を巧みに映し出していると言えるでしょう。しかし、私はここで少し立ち止まって考えてみたいのです。画面の中の数字や誰かの主観をなぞるだけの食事は、果たして本当に豊かな体験なのでしょうか。東海林さんが揶揄したタレントの大げさなリアクションは、ある意味で「自分の舌で感じた衝動」の誇張表現であり、そこには情報の受け売りではない熱量が存在したはずです。

2019年10月24日現在の私たちは、便利さと引き換えに「自らの感覚で宝物を見つけ出す喜び」を少しずつ手放しているのかもしれません。情報の海で溺れないためには、点数という「正解」を求めるだけでなく、時には自分の直感を信じて暖簾をくぐってみる勇気も必要だと感じます。インターネットの評価がどれほど精巧になろうとも、最後にその料理を「おいしい」と感じ、幸せを噛みしめるのは、画面の向こうの誰かではなく、あなた自身なのですから。

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