インフラを支える巨大プロジェクトに興味はあるものの、実際の仕事内容がイメージしにくいと感じている学生の方は多いのではないでしょうか。日鉄エンジニアリングでは、2019年10月28日現在、そんな悩みを持つ若者に向けた「模擬競争入札」という画期的なインターンシップを実施しています。
このプログラムの最大の特徴は、学生たちがチームを組み、架空のプラント建設プロジェクトを勝ち取るための計画をゼロから練り上げる点にあります。そもそも競争入札とは、最も優れた提案や価格を提示した企業が仕事を受注する仕組みのことですが、これを疑似体験できる機会は滅多にありません。
参加者は設計や資材の調達といった具体的な役割を分担し、限られた予算の中でいかに高性能な設備を実現するかという、プロさながらの難題に挑みます。コストを下げれば品質が落ち、性能を追求すれば予算を超えてしまうという、エンジニアリング業界ならではのジレンマを肌で感じる構成です。
SNS上では「シビアな判断が求められるけれど、チームで一丸となる達成感がすごい」「業界のイメージがガラリと変わった」といったポジティブな反響が数多く見受けられます。実務の本質に触れることで、それまで馴染みのなかった分野に情熱を見出す学生が急増しているようです。
社員も刺激を受ける「仕事の本質」への問いかけ
人事を担当する小崎賢志氏は、この試みが学生のためだけではなく、現役社員にとっても大きな意味を持っていると語ります。真っ白な状態で課題に向き合う学生たちの斬新な発想や疑問は、日々業務に当たるプロにとって、自分たちの仕事の原点を見つめ直す貴重な鏡となっているのです。
私は、こうした「手触り感」のある教育プログラムこそが、ミスマッチを防ぐ最良の手段だと確信しています。華やかなイメージだけでなく、泥臭い調整や緻密な計算の積み重ねの先に、社会を支える巨大な構造物が生まれるという真実を知ることは、職業観を養う上で非常に健全です。
エンジニアリングの本質は、バラバラの技術や部品を一つにまとめ上げ、新たな価値を創造する「統合の力」にあります。単なる見学に留まらないこのインターンは、未来の技術者たちが自分の適性を確かめ、社会への貢献を具体的に想像するための、これ以上ない舞台となるに違いありません。
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