NHK敏腕Pが明かす「面白い」の法則!企画力を劇的に高める「共感と差異」の黄金比とは?

「斬新なアイデアが浮かばない」「会議がいつも無難な結論で終わってしまう」……そんな悩みを抱えるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。2019年10月16日、数々の話題作を世に送り出してきたNHKエデュケーショナルの佐々木健一シニアプロデューサーが、ヒットを生むための思考法を語りました。

佐々木氏は、無罪を勝ち取る弁護士を追ったドキュメンタリー『ブレイブ 勇敢なる者』や、哲学をエンタメ化した『哲子の部屋』など、既存の枠組みに捉われない番組制作で知られています。2019年9月には著書『「面白い」のつくりかた』を出版し、その独自のクリエイティブ論が注目を集めているのです。

彼が説く「面白さ」の正体とは、ズバリ「共感」と「差異」の掛け合わせにあります。SNS全盛の現代において、ユーザーに寄り添う「共感」は不可欠な要素ですが、それだけでは消費者の心に深く刺さることはありません。そこに「差異」、つまり「意外性」や「違和感」が加わって初めて、コンテンツは輝きを放つのです。

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ヒットの鍵は「6対4」の黄金バランス

佐々木氏によれば、心地よい安心感を与える「共感」が6割、そして驚きをもたらす「差異」を4割盛り込むのが理想的だといいます。このバランスこそが、視聴者の心を掴んで離さない秘訣なのでしょう。例えば、有罪率が極めて高い日本の裁判制度において、次々と無罪を勝ち取る「異質な弁護士」を多角的に描くことで、驚きと納得を同時に提供しています。

この考え方はテレビ番組に限らず、実店舗の運営にも通じます。例えば、2019年当時に行列ができる人気店として紹介された「コナズ珈琲成城店」では、チェーン店としての安心感がありながら、スタッフの服装や椅子がバラバラという「個店らしさ」が魅力となっていました。画一化されたサービスに飽きた消費者は、こうした小さな「差異」に強く惹かれるものなのです。

ネット上の反応を見ても、「共感だけを狙ったコンテンツは底が浅く感じる」という意見が多く、現代の消費者がいかに鋭い感覚を持っているかが伺えます。作り手側の「おもねる姿勢」は見透かされてしまうため、自分たちが本当に面白いと感じる「差異」を信じる勇気が必要なのでしょう。

「なぜ今か」を問う会議が芽を摘む

斬新な企画を育てるためには、組織のあり方も変えなければなりません。佐々木氏は、企画会議において「なぜ、今これをやるのか」という質問をタブーとしています。この問いは、現状のトレンドを後追いするだけの思考を招き、真に新しい価値を生むチャンスを奪ってしまうからです。

会議に必要なのは、予定調和な合意形成ではなく、空気を読まずに意見を戦わせる「異端児」の存在です。専門家ばかりを集めると、知識が邪魔をして発想が凝り固まってしまいます。混沌とした議論の中からこそ、世の中に変化を与えるエネルギーが生まれるのではないでしょうか。

また、クリエイティビティの源泉は、徹底した「情報の量」に比例します。天才的なひらめきを待つのではなく、地道な取材と下調べによって情報の引き出しを増やすことが、良質なアイデアへの唯一の近道です。2019年5月に放送され大反響を呼んだ『ボクの自学ノート』の主人公、梅田明日佳くんも、7年間という膨大な時間をかけてノートを書き続けました。

結局のところ、仕事を楽しんでいる人間には誰も敵いません。効率性だけを追い求めるのではなく、泥臭く時間をかけて「面白さ」を追求する情熱こそが、今の時代に求められている「仕事の本質」であると私は確信しています。

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