総合化学メーカーの大手である東ソーは、2019年10月31日、2020年3月期の連結純利益が前期と比べて27%減少する570億円になりそうだと発表しました。当初は670億円という予測を立てていましたが、そこから一気に100億円も引き下げるという、市場にとっても少々衝撃的なニュースとなりました。売上高についても、当初の計画から600億円下方修正し、8000億円にとどまる見通しです。
今回の業績悪化の背景には、中国経済の減速が色濃く反映されています。特にウレタン原料などの「海外市況」の落ち込みが激しく、これは世界的な需要と供給のバランスが崩れ、販売価格が下がってしまったことを意味します。ウレタンは家具のクッションや断熱材に使われる身近な素材ですが、世界景気のバロメーターとも言える存在です。これに加えて、為替レートが想定よりも円高に振れたことも、輸出企業である同社の収益を圧迫する要因となりました。
半導体市場の冷え込みと固定費の増大が影を落とす
同時に公表された2019年4月1日から2019年9月30日までの連結決算も、前年同期と比べて売上高が7%減、純利益が36%減と厳しい数字が並びました。要因の一つは、半導体市場の低迷により、製造装置に不可欠な「石英ガラス」の販売が伸び悩んだことです。石英ガラスとは、極めて純度が高く熱に強い特殊なガラスで、精密な半導体を作る過程で欠かせない部材ですが、ハイテク産業の停滞が直接的な打撃となっています。
さらに、工場などの設備を維持するための「修繕費」といった固定費が膨らんだことも、利益を削る結果となりました。SNS上では「化学セクター全体の冷え込みを感じる」「中国の影響がここまで大きいとは」といった、先行きを不安視する投資家の声が散見されます。設備維持には多額のコストがかかるため、売上が落ち込む局面では、こうした固定費が重くのしかかるという製造業の構造的な課題が浮き彫りになったと言えるでしょう。
私個人の見解としては、今回の下方修正は東ソー一社の問題ではなく、世界的な製造業のサイクルが転換期にあることを示唆していると感じます。為替や市況といった外部環境は自社でコントロールが難しいものですが、石英ガラスのような高付加価値製品の需要回復がいつになるのか、今後の動向が注目されます。苦境にある今こそ、次世代の成長に向けた体質強化が問われる時期ではないでしょうか。
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