栃木イチゴの新星「栃木i37号」登場!猛暑に負けない期待の後継種とブランド戦略の行方

「いちご王国」として知られる栃木県から、待望の新品種「栃木i37号」が登場し、農業関係者の間で大きな注目を集めています。日本一のイチゴ出荷額を誇るJAはが野の国府田厚志組合長も、この新顔を「待望の品種」と熱烈に歓迎しています。現在、栃木県の作付けの9割以上を占めるのは、1996年11月21日に品種登録された名作「とちおとめ」ですが、現場では長らく次世代を担うエースの登場が待ち望まれていました。

SNS上では「とちおとめが大好きだけど、農家さんの苦労を知ると新しい品種も応援したくなる」「栃木のイチゴなら味は間違いないはず」といった期待の声が寄せられています。長年愛されてきた「とちおとめ」は、味や香りの面で非常に完成度が高い一方で、近年の環境変化によってある重大な課題に直面していました。それは、近年の異常とも言える夏の猛暑が、イチゴ栽培に深刻な影を落としているという現実です。

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猛暑と戦う農家の救世主!「萎黄病」への耐性とは

イチゴ農家を最も悩ませているのが、天敵とも言える「萎黄病(いおうびょう)」です。これは土壌に含まれるカビの一種が原因で、葉が黄色く変色して形がゆがみ、株全体がうまく育たなくなる病気です。特に気温が25度を超えると発生しやすく、30度を上回る猛暑日には被害が激増します。近年の夏場は高温多湿な日が多く、育苗期の「とちおとめ」はこの病気に対して脆弱であるという弱点が浮き彫りになっていました。

こうした苦境を打破するために、栃木県いちご研究所が心血を注いで開発したのが「栃木i37号」です。これまでの試験栽培では、「とちおとめ」に比べて極めて高い耐病性を示しており、病害リスクを抑えた安定生産への道筋が見えてきました。稲葉幸雄所長は「実際の広域栽培での真価はこれから」と慎重な姿勢を見せつつも、現場の農家からは「とちおとめの正当な後継者」として、熱い眼差しが注がれているのです。

2020年秋に名称決定!西日本進出へかける「王国」の誇り

生産面でのメリットに加え、今後の焦点は「いかに売るか」というブランディング戦略に移ります。注目の名称については、「とちあかり」や「とちまる」など6つの候補から選ばれ、2020年秋頃に正式発表される予定です。全国各地で新品種が乱立する「イチゴ戦国時代」において、単に「甘い」「大きい」といった表現だけでは差別化が難しくなっており、酸味の少なさや収穫時期の早さをどう伝えるかが成功のカギを握ります。

また、今回の新種には西日本への販路拡大という特命も与えられています。関西圏では福岡の「あまおう」が圧倒的なシェアを誇っており、栃木ブランドの浸透はまだ道半ばです。さらに2019年10月12日に日本を襲った台風19号により、県内のイチゴ被害額は20億円を超える甚大なものとなりました。私は、この逆境下で誕生した「栃木i37号」こそが、被災した農家の再建を支え、王国の繁栄を次世代へつなぐ希望の光になると確信しています。

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