東京都足立区から、あまりに衝撃的なニュースが飛び込んできました。2019年11月02日までに区が発表した内容によると、2018年度に実施された大腸がん検診において、本来は「陽性」と判定されるべき受診者107人に対し、誤って「陰性」と通知していたというのです。健康を守るための検診が、逆の結果を伝えてしまうという事態は、まさに信頼を揺るがす重大な不祥事と言わざるを得ません。
今回のトラブルの原因は、極めて単純かつ初歩的な「転記ミス」にありました。検診を請け負った検査会社から届いた正しい判定結果を、各医療機関が受診者へ伝える段階で書き間違えてしまったのです。大腸がん検診で用いられる「陽性」とは、便の中に血液が混じっており、がんやポリープの疑いがあるため「精密検査が必要」という意味を指します。一方の「陰性」は異常なしを意味するため、107人の方々は自分が健康であると信じ込んでしまった可能性が高いでしょう。
SNS上ではこの報道を受け、「信じていた結果が嘘だったなんて怖すぎる」「早期発見のチャンスを奪われたらどう責任を取るのか」といった、怒りと不安の声が次々と上がっています。特にがん検診は、自覚症状がない段階で異常を見つけることが目的であるため、誤った安心感を与えてしまう「偽陰性」の状態は、病状を進行させる大きなリスクをはらんでいます。自治体や医療機関に対する、管理体制の甘さを指摘する厳しい意見が目立ちます。
新システム導入が裏目に?チェック体制の欠如が招いた人為的ミス
なぜ、これほど大規模なミスが起きてしまったのでしょうか。足立区の説明によれば、2018年度から検査会社が変更になり、それに伴って結果を記載する書式も新しくなっていたことが影響したようです。慣れない形式に戸惑いがあったのかもしれませんが、驚くべきことに、一部の医療機関では複数のスタッフによる「ダブルチェック」が行われていなかった事実も判明しました。命に関わる情報を扱う現場として、あまりに危機意識が低いと言わざるを得ません。
事態が発覚したのは、2019年10月下旬のことでした。区が検査会社のデータをあらためて確認し、陽性判定が出ているにもかかわらず精密検査を受けていない方へ連絡を入れたことで、実際の通知内容との食い違いが浮き彫りになったのです。編集者の私見として、書式の変更といった環境の変化こそ、最も慎重になるべき場面だったはずです。事務的な作業の怠慢が、受診者の将来を左右しかねない事態を招いたことは、非常に重い過失だと感じます。
現在、足立区は対象となる107人の方々へ個別に連絡を取り、速やかに精密検査を受けるよう促している段階です。幸いにも現時点では、この誤通知によってがんが見落とされ、深刻な事態に至ったという報告は入っていません。しかし、がんの進行は待ってはくれません。区内の227医療機関で計約4万7千人が受診したという大規模な事業だからこそ、一点の曇りもない正確な情報伝達が求められるのは当然のことではないでしょうか。
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