超高齢社会を突き進む日本において、私たちの生活に欠かせない存在となった「大人用紙おむつ」が、今まさに大きな転換期を迎えています。2019年11月08日現在、使用済みおむつの処理は焼却処分が一般的ですが、燃やす際に発生する二酸化炭素(CO2)の排出は、地球温暖化防止の観点から無視できない課題です。
北九州市立大学の伊藤洋教授によれば、一般廃棄物全体に占める紙おむつの割合は、2015年の約4%から2030年には約7%まで膨らむと予測されています。この数字の拡大は、おむつを単なる「汚物」として捨てるのではなく、新たな資源として活用する仕組み作りが急務であることを物語っているでしょう。
高品質な素材の宝庫!官民一体で挑む再資源化の壁
実は、紙おむつには非常に質の高い「パルプ(植物から抽出した紙の原料)」やプラスチックが贅沢に使用されていることをご存知でしょうか。これらは本来、リサイクルに適した「資源の宝庫」なのです。政府もこの価値に注目しており、資源の有効活用を目指す指針の中で、紙おむつの再利用を促進する方針を明確に打ち出しました。
SNS上では「おむつのリサイクルは衛生的になんとなく不安」という声も見受けられますが、最新の技術では除菌・消臭を徹底した上で、建築資材や新たな紙製品へと生まれ変わらせることが可能です。現在、メーカーが自治体とタッグを組み、ゴミの回収プロセスから深く関与する事例が増えており、官民が手を取り合った活発な取り組みが始まっています。
最大の障壁となっているのは、処理にかかるコストの高さだと言えるでしょう。しかし伊藤教授は、回収量を劇的に増やすことで規模の経済が働き、リサイクル費用を大幅に抑制できると指摘しています。分別の手間は増えるかもしれませんが、持続可能な社会を作るため、私たち一人ひとりの協力が今こそ試されているのではないでしょうか。
編集者としての私見ですが、おむつリサイクルは単なる環境対策に留まりません。これは、増え続ける介護負担を社会全体でどう支え、資源を循環させるかという「未来のデザイン」そのものです。コストを理由に諦めるのではなく、官民が知恵を絞り、効率的な回収ルートを確立することを切に願っています。
コメント