三重県菰野町の観光が、デジタル技術の力で劇的な進化を遂げようとしています。高速バス大手として知られるWILLER(ウィラー)が、2020年春の本格稼働を目指し、次世代移動サービス「MaaS(マース)」を導入することを発表しました。この試みは北海道や京都に続く国内3例目のプロジェクトとして、今大きな注目を集めています。
ここで注目される「MaaS」とは、Mobility as a Serviceの略称です。これは、バスや電車、タクシーといった複数の移動手段を一つのサービスとして統合し、スマートフォンのアプリ上で検索から予約、さらには決済まで完結させる画期的な仕組みを指します。目的地まで迷うことなく、キャッシュレスでスムーズに移動できるのが最大の魅力と言えるでしょう。
SNS上では「湯の山温泉へのアクセスが便利になるのは嬉しい」「地方観光の移動の悩みが解決されそう」といった期待の声が続々と寄せられています。2019年11月26日に設立された協議会には、町内のホテルやレストランなど35もの施設が参加を表明しており、地域全体で観光客を迎え入れる準備が着々と進められている様子が伺えます。
二次交通の課題を解決する観光戦略の切り札
年間250万人もの人々が訪れる菰野町ですが、これまでは鉄道駅から観光スポットへ向かう「二次交通」の不便さが大きな課題でした。特に御在所ロープウエイやアクアイグニスといった人気施設間の移動は、自家用車がないと難しい側面があったのです。今回のアプリ導入によって、こうした「移動の壁」が取り払われることが期待されています。
協議会の会長には、人気リゾート施設「アクアイグニス」の立花哲也社長が就任されました。立花氏は、2020年春の本格稼働に向けて参加施設をさらに増やしていく意向を示しています。地元を熟知するリーダーが牽引することで、単なる移動手段の提供に留まらない、地域の魅力が凝縮された体験型のサービスが誕生するに違いありません。
編集者の視点から見れば、このMaaSの導入は単なる利便性の向上以上に、観光の「質」を変える可能性を秘めています。手荷物の心配や小銭の用意から解放されれば、旅の主役である「景色」や「食」に没頭できる時間が増えるからです。菰野町の素晴らしい自然とITの融合が、どのような新しい旅の形を見せてくれるのか、今から非常に楽しみでなりません。
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