2019年11月26日、日本の株式市場ではじわじわと値を上げる「じり高」の展開が続いています。現在、市場の投資家たちが熱い視線を送っているのは、今週後半からアメリカで幕を開ける年末商戦の行方です。
米国では堅調な雇用情勢が続いており、今年の消費は例年以上に盛り上がるとの予測が広がっています。こうしたポジティブな見通しを背景に、日本株市場でも関連銘柄を先回りして購入する動きが活発化しており、年末に向けた株価上昇、いわゆる「年末ラリー」への期待が最高潮に達しています。
SNS上でも「ボーナス時期と重なって期待大」「米国の消費パワーはやはり別格」といった声が目立ち、投資家たちのマインドも前向きになっているようです。世界景気のバロメーターとも言える米国の消費動向が、日本市場の命運を握っていると言っても過言ではありません。
過去最大規模か?1兆ドルの大台を伺う米国の消費意欲
2019年の米国年末商戦は、11月29日の「ブラックフライデー」からクリスマスの時期まで続きます。ブラックフライデーとは、感謝祭翌日の金曜日に開催される大規模セールのことで、小売店が軒並み黒字になることからその名がついた、米国最大のイベントです。
全米小売業協会(NRF)の発表によれば、今年の売上高は前年を大きく上回り、7200億ドルを超える見込みだそうです。中には、売上高が初めて1兆ドルの大台に乗ると予測する調査会社もあり、市場にはかつてないほどの高揚感が漂っています。
米国株市場では、世界最大の小売業であるウォルマートが年初来高値を更新するなど、消費関連銘柄が絶好調です。しかし、この熱狂の恩恵を受けるのは米国の企業だけではありません。実は日本株にとっても、非常に大きな追い風となる構造があるのです。
アップル関連株が躍動!景気敏感株への資金流入
日本株への好影響は、主に二つのルートでやってきます。一つ目は、商戦の主役となる製品に部品を供給しているメーカーへの直接的な投資です。今年の目玉とされるiPhoneやワイヤレスイヤホンの「AirPods」には、日本の高い技術力が欠かせません。
実際に、2019年11月25日の市場では、アップルに部品を納める村田製作所やTDKといった電子部品大手の株価が大きく上昇しました。こうした銘柄は、景気の波に敏感に反応して動くため「景気敏感株」と呼ばれ、現在は相場を牽引する主役となっています。
二つ目のルートは、市場全体が「リスクを取って投資をしよう」という前向きな心理(リスクオン)に包まれることです。米国の個人消費は同国のGDP(国内総生産)の約7割を占めるため、ここが強いと世界景気の減速懸念が吹き飛び、出遅れていた日本株にも投資マネーが流れ込むのです。
為替の円安アノマリーと投資判断の注意点
さらに、この時期特有の「円安・ドル高」になりやすいという経験則(アノマリー)も、日本株を強力にバックアップしています。年末は米企業が海外で稼いだ利益を本国へ戻すため、ドルを買う動きが強まりやすく、輸出企業が多い日本市場には有利に働きます。
2019年11月下旬からは日本企業の中間配当の支払いも始まりますが、これを受け取った海外投資家が再び日本株に再投資するサイクルも期待されています。まさに、現在の相場は好材料をどん欲に取り込む「いいとこ取り」の状態にあると言えるでしょう。
編集部としては、この上昇気流は心強いものの、一部の銘柄には割高感も出始めている点に注目しています。PER(利益から見た株価の妥当性)を冷静に見極める視点も必要です。セールに終わりがあるように、相場の過熱感にも冷静な判断を忘れないことが、賢い投資の秘訣かもしれません。
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