愛知県津島市に本拠を構え、配電盤や自動制御盤の製造で高い技術力を誇る「中藤電機産業」が、2020年10月に秋田県秋田市へ新たな拠点を開設することが決定しました。同社は企画から設計、板金、塗装、そして配線までを一貫して自社で完結させる「一気通貫」の体制を強みとしています。2019年9月期の売上高が10億8300万円に達するなど、その堅実な経営基盤は業界内でも一目置かれる存在と言えるでしょう。
今回の進出先は、秋田県の中枢である秋田市役所や県庁が立ち並ぶ「山王地区」にオフィスを構える予定です。まずは、CADと呼ばれるコンピューター支援設計システムを駆使し、空調設備向けの配電盤設計業務からスタートします。CADとは、従来の手書き図面に代わりデジタル上で緻密な設計を行う技術であり、現代の製造業において不可欠な専門スキルです。初期メンバーは5名体制ですが、ここから同社の東北攻略が幕を開けます。
SNS上では「愛知の企業が秋田に来てくれるのは雇用面でも心強い」「地方進出によって技術が分散・継承されるのは良い流れ」といった期待の声が上がっています。特筆すべきは、2018年10月に開設された関西支店の成功でしょう。大阪での受注が極めて好調だったことが、今回の東北進出を後押しする形となりました。愛知から関西、そして東北へと販路を広げる同社の勢いは、地域経済の活性化を予感させる明るいニュースです。
2022年秋には新工場も!地域に根ざした雇用創出への期待
中藤電機産業のビジョンは単なるオフィスの開設に留まりません。2022年秋には秋田市内の工業団地に、延べ床面積およそ1650平方メートルの新工場を建設するという壮大な計画を掲げています。ここでは15人から20人規模の新規採用を見込んでおり、地域における新たな雇用の受け皿としての役割が期待されています。工場の本格稼働によって、設計から製造までを秋田の地で行う体制が整うことになるでしょう。
田中敏之社長は「Uターン希望者を含め、秋田出身の優秀な人材を即戦力として迎え入れたい」と熱意を語っています。地方出身者が地元に戻って働く「Uターン」は、人口減少に悩む地方自治体にとっても大きな希望です。熟練の技術を持つエンジニアが秋田に集結することで、地域全体の技術水準が底上げされる効果も無視できません。こうした企業の挑戦は、地方創生のロールモデルになる可能性を秘めています。
編集者の視点から言えば、中藤電機産業のような「一貫体制」を持つメーカーの進出は、サプライチェーンの強靭化という観点でも非常に意義深いものです。特定の地域に依存せず、拠点を分散させることで災害時のリスクヘッジにも繋がります。また、製造業の拠点が秋田に増えることは、単なる数字以上の「誇り」を地域にもたらすはずです。2020年10月の開設に向けて、同社がどのようなチームを築き上げるのか目が離せません。
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