しなの鉄道2019年中間決算は増益!観光列車「ろくもん」好調も、台風19号の爪痕に懸念

長野県の北信・東信地域を支える第三セクター、しなの鉄道が2019年11月27日に発表した2019年4月から9月期の単独決算は、非常にポジティブな驚きを届けてくれました。経常利益は前年同期比で6%増加し、1億1637万円を記録したのです。これは、地方鉄道が厳しい経営環境に立たされる中で、特筆すべき健闘と言えるのではないでしょうか。

好業績の原動力となったのは、単なる移動手段としての鉄道利用だけではありません。駅構内での物販や、豪華な食事を楽しめる観光列車「ろくもん」の食事付きプランが、多くの旅行者の心を掴んだ結果といえます。地域密着型の「第三セクター(官民共同出資の事業体)」として、独自の付加価値を創造する姿勢が、しっかりと数字に表れている点は見逃せません。

SNS上では、沿線ファンから「ろくもんの食事が豪華で満足度が高いから納得の増益」といった喜びの声が上がる一方で、経営努力を評価する書き込みが相次いでいます。私も実際に、地域資源を巧みにブランド化する彼らの手法には、地方創生のヒントが詰まっていると感じます。単に人を運ぶだけでなく、物語を売るスタイルこそが今の時代に必要不可欠なのです。

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台風19号の影響による今後の見通しと課題

しかし、手放しで喜んでばかりはいられない現実が、しなの鉄道を待ち受けています。2019年10月に東日本を襲った「台風19号(令和元年東日本台風)」の被害が、経営に暗い影を落としているからです。浸水や土砂流入などの甚大な被害に伴い、巨額の修繕費用や運休による損失の発生が避けられない情勢となっています。

会社側の発表によれば、台風被害を受ける前は2020年3月期も約1億円の黒字を確保する見込みでした。ところが、災害対応の影響を考慮すると、同期の税引き前当期純利益(法人税などを支払う前の最終的な利益)は、一転して赤字に転落する可能性が高いと予想されています。上半期が好調だっただけに、自然災害の無慈悲さが際立つ結果となりました。

インフラを担う鉄道会社にとって、災害復旧は最優先事項ですが、それは同時に経営体力を激しく消耗させる戦いでもあります。SNSでも「しな鉄を応援するために、復旧したら積極的に乗りに行こう」という支援の輪が広がっており、地域の足を守ろうとする気運が高まっています。逆境に立たされた今こそ、しなの鉄道の真価が問われる正念場と言えるでしょう。

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